HOME 政治・軍事 経済・産業 自然・災害 文化・芸術 教育・宗教 社会・開発


第0260話 東海道線電化

東海道本線の電化

 東海道線は1909(明治42)年12月16日に浜松町駅-烏森駅間の電車線(1.13km)が開業したのを皮切りに、翌年に有楽町まで延伸、1914(大正3)年12月20日に東京駅-高島町駅間の電車運転(京浜電車、現在の京浜東北線)開始、翌年にはこれが桜木町まで延伸された。
 横浜から先の東海道本線の電化はさらに10年以上かかり、途中関東大震災による大きな被害もあって、横浜駅-国府津駅間が電化されたのは1925(大正14)年12月13日であり、同時に横須賀線も大船駅-横須賀駅間が電化された。もっともこれは電車区間ではなく、横須賀線を含めて電気機関車が牽引する列車が運行するものであった。
 この区間に電車が走るのは戦後のことである。
 『劉生繪日記』によれば、電化時代以前に鵠沼に住んだ劉生は、かなりの頻度で上京しているが、当時藤澤駅から東京駅までは1時間15分程度であり、電化後も1時間は切らなかったと思われる。
丹那トンネル開通までの東海道線(神奈川県内中心)
西暦 和暦 記                  事
1872 明治 5 5 7 品川駅-横浜駅間(23.69km)が旅客線として仮開業。品川駅・横浜駅(桜木町)が開業
1872 明治 5 6 10 川崎駅・神奈川駅が開業
1872 明治 5 9 12 新橋駅-品川駅間(5.18km)延伸開業、新橋駅-横浜駅間(28.87km)正式開業。新橋駅・鶴見駅開業
1873 明治 6 9 15 新橋駅-横浜駅間で貨物営業を開始
1876 明治 9 6 12 大森駅が開業
1876 明治 9 12 1 新橋駅-品川駅間複線化。同区間に田町仮停車場を開設
1879 明治12 3 1 大森駅-川崎駅間複線化
1879 明治12 11 1 川崎駅-鶴見駅間複線化
1880 明治13 11 14 品川駅-大森駅間複線化
1881 明治14 5 7 鶴見駅-横浜駅間複線化。これにより新橋駅-横浜駅間の複線化が完成
1887 明治20 7 11 横浜駅-国府津駅間(49.76km)が延伸。程ヶ谷・戸塚・藤沢・平塚・大磯・国府津各駅開業
1888 明治21 11 1 大船駅開業
1889 明治22 2 1 国府津駅-静岡駅間(114.81km)が延伸。国府津駅から沼津駅までは現在の御殿場線を経由
1889 明治22 4 16 静岡駅-浜松駅間(76.34km)が延伸。琵琶湖水路を用い、関東から関西までの輸送路が一応完成
1889 明治22 6 16 横須賀線、大船駅-横須賀駅間(16.15km)開業。鎌倉駅・逗子駅・横須賀駅開業
1889 明治22 7 1 新橋駅-神戸駅間が全通
1895 明治28 4 1 線路名称制定、新橋駅-神戸駅間、大船駅-横須賀駅間、などを東海道線とする
1896 明治29 4 1 横須賀線、線路名称制定により、東海道線の一部となる
1898 明治31 6 15 茅ヶ崎駅が開業
1898 明治31 8 1 神奈川駅-程ヶ谷駅間の短絡線(3.54km)が開業し、本線に編入。横浜駅-大船駅間が複線化
1898 明治31 12 15 大船駅-茅ヶ崎駅間が複線化
1899 明治32 8 5 平塚駅-国府津駅間が複線化
1901 明治34 2 5 国府津駅-山北駅間が複線化
1901 明治34 6 11 山北駅-小山駅間が複線化。現在の御殿場線にあたる区間の全線複線化完成
1904 明治37 4 11 蒲田駅開業
1904 明治37 5 1 横須賀線、田浦駅開業
1909 明治42 10 12 国有鉄道線路名称設定により、「東海道本線」、「横須賀線」正式決定
1909 明治42 12 16 浜松町駅-烏森駅間の電車線(1.13km)開業。浜松町駅-品川駅間複々線化。田町浜松町烏森開業
1910 明治43 6 25 烏森駅-有楽町駅間の電車線延伸。有楽町駅開業
1913 大正 2 3 15 藤沢駅-茅ヶ崎駅間に辻堂信号所を開設
1914 大正 3 12 20 東京駅、神奈川駅-横浜駅間に高島町・大井町駅開業。新橋駅が汐留駅、烏森駅が新橋駅に改称
1914 大正 3 12 20 東京駅-高島町駅間の電車運転(京浜電車、現在の京浜東北線)開始、品川-横浜駅間複々線化
1915 大正 4 8 15 神奈川駅-程ヶ谷駅間が経路変更。横浜駅開業。高島町・平沼駅廃止。横浜駅を桜木町駅に改称
1915 大正 4 12 30 支線 横浜駅-桜木町駅間電化、貨物営業廃止。京浜電車の運転区間が桜木町駅まで延伸
1916 大正 5 9 13 横須賀線、大船駅-鎌倉駅間複線化
1916 大正 5 12 1 辻堂信号所を駅に変更し辻堂駅開業
1917 大正 6 3 1 横須賀線、鎌倉駅-逗子駅間複線化
1920 大正 9 7 23 高島線 東横浜駅-横浜港駅間(2.57km)延伸開業。新線と鶴見駅 - 東横浜駅間で旅客営業開始
1920 大正 9 10 19 横須賀線、沼間信号所-田浦駅間複線化
1920 大正 9 10 21 熱海線 国府津駅-小田原駅間(6.28km)開業。小田原駅開業。途中に酒匂川信号所を開設
1922 大正11 5 15 下曽我信号場を駅に変更し下曽我駅開業
1922 大正11 12 21 小田原駅-真鶴駅間(11.75km)延伸。早川駅・根府川駅・真鶴駅開業
1923 大正12 6 1 酒匂川信号場を駅に変更し鴨宮駅開業
1923 大正12 9 1 関東大震災発生。大きな被害を受け、東京駅 - 御殿場駅間などが不通となる
1923 大正12 9 10 東海道線全線不通のところ、この日東京・藤沢間開通
1923 大正12 10 28 東海道線全線が復旧する
1924 大正13 9 17 藤沢駅舎の復興・新築完成、祝賀会開催
1924 大正13 10 1 熱海線、真鶴駅-湯河原駅間(3.38km)延伸。湯河原駅開業
1924 大正13 12 25 横須賀線、田浦駅-横須賀駅間複線化
1925 大正14 3 25 熱海線、湯河原駅-熱海駅間(5.47km)延伸。熱海駅開業
1925 大正14 12 13 横浜駅-国府津駅間電化
1925 大正14 12 13 横須賀線、大船駅-横須賀駅間電化。東京駅-横須賀駅間で電気機関車運転開始
1926 大正15 2 1 熱海線、小田原駅-熱海駅間電化。小田原駅-湯河原駅間複線化
1926 大正15 3 18 熱海線、国府津駅 -鴨宮駅間複線化
1926 大正15 8 14 熱海線、鴨宮駅-小田原駅間複線化
1927 昭和 2 5 20 横須賀線、北鎌倉仮停車場開業
1927 昭和 2 8 19 大船駅-藤沢駅間3線化
1927 昭和 2 9 26 大船駅-藤沢駅間複々線化
1927 昭和 2 10 16 藤沢駅-茅ヶ崎駅間3線化
1927 昭和 2 11 8 藤沢駅-辻堂駅間複々線化
1928 昭和 3 2 5 熱海線、小田原駅-熱海駅間電化。小田原駅-湯河原駅間複線化
1928 昭和 3 3 20 辻堂駅-平塚駅間複々線化
1928 昭和 3 3 31 程ヶ谷駅-大船駅間複々線化
1930 昭和 5 1 26 横浜駅京浜線ホームが完成し、横浜駅-桜木町駅間の現在線が使用開始。高島口乗降場が閉鎖
1930 昭和 5 3 15 横須賀線、電車運転開始
1930 昭和 5 10 1 横須賀線、北鎌倉仮停車場を駅に格上げ
1931 昭和 6 10 1 程ヶ谷駅を保土ヶ谷駅に改称
1934 昭和 9 11 6 熱海線、湯河原駅-熱海駅間複線化
1934 昭和 9 12 1 丹那トンネルが完成し、熱海駅-沼津駅間(21.6km)が電化複線で開業。御殿場線分離
E-Mail:

鵠沼を語る会 副会長/鵠沼郷土資料展示室 運営委員 渡部 瞭

[参考文献]
  • 岸田劉生:『岸田劉生全集』
 
BACK TOP NEXT