藤沢市議会での博物館・美術館に関する主な論議 
平成 7年〜10年 平成11年〜14年 平成15年〜18年 平成19年〜22年
 藤沢市の博物館・美術館建設の歩みは遅々として進まず、スタートのきっかけは1984年に提出され、文教常任委員会で趣旨了承された
「藤沢市立博物館(資料館)早期建設についての陳情」だったと思われます。
 以後、各種の準備委員会が組織され、藤沢市にふさわしい博物館のあり方として、人文分野を中核とした博物館が答申されました。
すなわち、自然科学的分野や美術館的要素は外されたまま準備が進められ、今日に至っています。
 2003年に示された藤沢市の総合計画「ふじさわ総合計画2020」でも博物館・美術館の設置は明確になっていません。.
 この間、バブル経済の崩壊により市の財政は長期にわたって逼迫し、博物館建設計画は行き詰まりました。
 湘南広域都市整備事務研究会内で博物館・美術館の共同建設を茅ヶ崎市・寒川町と検討しましたが不調に終わり、PFI方式の導入を
検討しましたが、結果は不明です。「ふじさわ総合計画2020」のその後の見直しで、博物館の語を公開型保管施設と読み替える方向で
進んでいるようです。すなわち、これから10年先になっても藤沢市教育委員会は博物館・美術館を造る気がないのです。
 北部台地の都市化の進展により、博物館建設準備担当は多くの発掘調査を行い、その出土品は4箇所の保管施設を埋め尽くしていま
す。一方でそれらの整理や特別展、報告書の刊行や報告会、専門学芸員が不在のまま「藤沢市30日美術館」を開催したり、バーチャル
博物館「みゆネットふじさわ」を開設したりと多忙な日々を送っています。
 そうした中、県立藤沢高校が2010年度から県立大清水高校と合併し、大清水高校の校地に県立清流高校として再発足することになり、
その跡地活用について、藤沢高校で昔美術を担当されていた彫刻家熊坂兌子氏を中心に卒業生らが「藤沢文化創造の丘をすすめる会」
を発足させ、美術や自然系を含めた総合ミュージアム活用を求める1万3,500人の署名を集め、要望書を県と市に提出しました。
 藤沢高校は、もともと藤沢市立だったものが県立に移管された経緯があるので、用地移管は容易だろうと期待されています。
 要望は採択され、市は県に対して交渉を重ねているということですが、現在のところ結果は報告されていません。
 市議会は、平成7年からの会議録をインターネット上に公開し、用語検索ができる仕組みになっています。そこで、博物館 美術館をキー
ワードに検索した結果を上部の4つのリンクにまとめました。容量を縮めるため原文を端折ってあります。ご容赦ください。
 また、これまでの経緯を下のように簡単な年表にまとめてみました。 
西暦 和暦 記            事
 1971 昭和46 4 県立辻堂海浜公園開園。交通展示館を開設
1972 昭和47 12 市庁舎内に市民資料室完成
1973 昭和48 9 「藤沢市立博物館(仮称)設置についての報告書」(藤沢市郷土資料館建設研究会報告)
1974 昭和49 7 藤沢市文書館開館※市町村立としては全国初
1984 昭和59 5 「藤沢市立博物館(資料館)早期建設についての陳情」が出される
1984 昭和59 6 「藤沢市立博物館(資料館)早期建設についての陳情」、文教常任委員会で趣旨了承
1985 昭和60 11 藤沢市社会教育委員会議より、藤沢市にふさわしい博物館の基本構想について、人文系総合博物館として建議
1986 昭和61   江の島地区整備検討委員会が地元に設置される
1987 昭和62 1 藤沢ルミネプラザ落成式。2月、6階に市民ギャラリー開設
1987 昭和62 3 藤沢市博物館基本構想委員会、藤沢市にふさわしい博物館のあり方として、人文分野を中核とした博物館を報告
1987 昭和62 5 人文系歴史博物館の建設を目指し、生涯学習部内に博物館建設準備担当を設置
1987 昭和62 藤沢市博物館展示基本構想委員会博物館資料収集検討会を設置
1988 昭和63   江の島地区整備検討委員会、島ぐるみ野外博物館構想を合言葉に地区整備計画「江の島憲章」を定める
1988 昭和63 11 藤沢市博物館資料収集検討会を設置
1989 平成 1 3 藤沢市都市景観条例が制定される
1989 平成 1 7 湘南台文化センターこども館が開設される
1990 平成 2 5 藤沢市博物館展示基本構想委員会、「博物館の展示のあり方」を報告
1992 平成 4 12 藤沢市博物館資料収集調査委員会、「仮称藤沢市博物館の調査研究、資料収集、整理保管のあり方」を報告
1992 平成 4 12 「美術館建設についての請願」を文教常任委員会で採択
1993 平成 5 3 文教常任委員会で「市立自然史博物館設置についての陳情」を結論保留
1993 平成 5 6 文教常任委員会で「市立自然史博物館設置についての陳情」を結論保留
1993 平成 5 9 文教常任委員会で「市立自然史博物館設置についての陳情」を趣旨不了承
1993 平成 5 9 大庭市民センター隣接地、博物館の建設用地に予定
1995 平成 7 2 市議会2月定例会で土蔵を譲り受けてまちの博物館に残す提案
1995 平成 7 3 予算特別委員会でミニ博物館設置の借入金に利子補給をする江の島観光地活性化特別融資利子補助金を説明
1995 平成 7 5 湘南広域都市整備事務研究会内で博物館・美術館の共同建設を調査検討→1997年、不調に終わる
1995 平成 7 12 決算特別委員会で博物館建設準備事業後退に関する論議
1996 平成 8 2 市議会2月定例会で博物館・美術館の建設規模の縮小と、湘南広域都市行政協議会での検討に関する提案
1996 平成 8 6 第二次新総合計画後期計画の見直し、博物館建設「建設をする」から「準備をすすめる」にトーンダウン
1997 平成 9 5 湘南広域都市行政協議会広域博物館検討会、「広域博物館の設置・運営管理に関する報告」検討結果=困難
1998 平成10 4 故服部清道氏の遺族、歴史資料を中心として、おおよそ4万1,000点の資料を市に寄贈
1998 平成10 9 市議会9月定例会で藤沢市の独自のカラーを打ち出すため焦点を絞り込んだものを検討すべきとの提案あり
1999 平成11 2 市議会2月定例会で六会市民センターの古い農具など民俗資料館の展示館を少年の森へとの声の紹介
2000 平成12 4 藤沢市教育委員会、生涯学習部生涯学習課(博物館建設準備担当)に改組
2001 平成13 3 予算等特別委員会で2020の計画の中で博物館でなく「公開型の保管施設」の設備の語を用いる
2001 平成13 4 「ふじさわ総合計画2020」を企画
2001 平成13 10 行政改革等特別委員会でPFI方式を博物館経営の有効な手法として実施計画5カ年を定めたと報告
2001 平成13 12 〜2002/1/20、第1回藤沢市30日美術館 ふじさわ・今日の作家展(賛助:片岡球子、絹谷幸二、山本正道)入場者:4,247人
2002 平成14 3 予算等特別委員会で公開型保管施設の建設を平成18年度完成を目途として計画を進ると報告
2002 平成14 6 市議会6月定例会でミニ博物館を併設した「道の駅」設置の提案
2002 平成14   地域イントラネット(総務省の補助事業)、平成14年度に構築
2003 平成15 4 植物園が整備され、江の島サムエル・コッキング苑オープン
2003 平成15 5 博物館建設準備担当、「電子博物館みゆネットふじさわ」を開設
2003 平成15 8 深谷百合子(長谷川路可の次女・宇都宮市在住)ら遺族、長谷川路可の絵画作品22点を藤沢市に寄贈
2003 平成15 12 市議会12月定例会で博物館・美術館複合施設の検討の議員提案→市は人文系博物館の姿勢
2005 平成17 2 市議会2月定例会で市民ギャラリーの入場料有料化の議員提案
2005 平成17 5 黒崎義介画伯作品保存会、童画や日本画、デッサンなど1011点とスケッチブック98冊などを藤沢市に寄贈
2005 平成17 12 市議会12月定例会で自然系学芸員不在が指摘される
2006 平成18 2 県立藤沢高校の跡地活用について、熊坂氏を中心に卒業生らが「藤沢文化創造の丘をすすめる会」発足
2006 平成18 12 「藤沢文化創造の丘をすすめる会」、総合ミュージアム活用を求める1万3,500人の署名・要望書を県と市に提出
2007 平成19 12 市議会12月定例会で自然系博物館に関する議員提案→市側は日大博物館との連携を提案
2010 平成22 4 〜6/13、茅ヶ崎市美術館で湘南広域都市行政協議会設立記念事業「藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町収蔵作品展」開催
2010 平成22 4 17、市教委、「藤沢市教育振興基本計画素案」を発表。博物館・美術館については全く触れず
BACK TOP NEXT