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林家から林石材産業へ小田急本鵠沼駅近く(本鵠沼3-1-14)に店舗を開く林石材産業株式会社は、藤沢市を代表する石材業者の一つである。藤沢市史年表によれば、その創業は1783(天明 3)年であり、市内で営業する企業としては最古とある。 天明3年といえば、浅間山の大噴火があり、世界的な大飢饉のあった年だ。 このことを知った時、飢饉で死者が増えたので、墓石の需要が増えたためかなどと勝手に想像したのだが、事実はさにあらずである。 同社のホームページによれば、開業は1783(天明 3)年ではなく、1781(天明元)年であり、当時は林家という名で、鎌倉郡村岡村宮ノ前で鎌倉石の採石をしていたようである。東海道本線の藤沢―大船間の車窓から右手間近に見える小山であろう。(余談だが、この小山の南麓には、かつて村岡山椢謇@という寺院があったが、廃寺となった。寺院跡地のやぐら(横穴墳墓)には相模国準四国八十八箇所第十六番札所の弘法大師像が現在も祀られている。その先には村岡御霊(ごりょう)神社がある) 林家は、1922(大正11)年に藤沢駅北口付近に進出し、建築業を営むようになった。翌年の関東大震災の復興で大いに事業が発展し、駅前が手狭になったので、1924(大正13)年には六本松(藤沢市本町)に移動し、石材、土木業を営むようになった。 現在の小田急本鵠沼駅近く(本鵠沼3-1-14)に移動し、林石材産業株式会社として石材加工業を開業したのは、1936(昭和11)のことである。 | ||||||||||||||||||||||||
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