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第0162話 鵠沼郵便局

インフラ整備拠点の移動

 日露戦争が終わった頃から、生活に直結するインフラストラクチャーの整備がようやく本格化する。
 その中でもいち早く取り組まれたのが郵便事業だった。
 鵠沼村では1906(明治39)年に引地に郵便鉄柱箱(郵便ポスト)が設置された。
 その翌年、旅館東屋に付随して「鵠沼郵便局」が開設された。恐らくこの当時は鵠沼村の居住空間としては最南部に、医院に続いて郵便局が設置されたのである。かくして旅館東屋は鵠沼村のインフラストラクチャーの拠点となっていった。
 この段階では、鵠沼村の人口分布の重心は「本村」にあり、その中心であった小字中井地区に明治初期に村役場と小学校が立地していたが、明治末期には医院と郵便局は南端に置かれたことになる。
 医院の場合は、第0160話で述べたように、リゾート旅館が転地療養のための滞在に利用されていた事情があったが、郵便の利用もリゾート旅館の長期滞在者が多く、半農半漁村の住民は利用頻度が少なかっただろうし、必要とあれば旧藤沢宿にあった藤沢郵便局が近かったためもあろう。
 鵠沼地区では、1940(昭和15)年に藤沢橘通郵便局が開局するが、江ノ電鵠沼駅近くや小田急本鵠沼駅近く、藤沢駅南口近くに郵便局ができるのは戦後になってからである。
 鵠沼郵便局は、以後、局舎の位置を3回換え、名称も鵠沼海岸郵便局と改称して、現在のものは4番目の位置ということになる。こんなに場所を変更した郵便局も珍しい。

鵠沼(鵠沼海岸)郵便局年表
    
西暦 和暦 記                        事
1871 明治 4 3 1 日本の近代郵便制度の創設とともに藤沢郵便取扱所として開設
1873 明治 6     藤沢郵便役所となる
1875 明治 8 1 1 藤沢郵便局(三等)となる。翌日より為替取扱を開始
1897 明治30 3 21 藤沢郵便電信局となる
1903 明治36 4 1 通信官署官制の施行に伴い藤沢郵便局となる
1906 明治39 11 19 鵠沼引地10番地に郵便鉄柱箱設置
1907 明治40 1 1 鵠沼郵便局、鵠沼下岡6642(鵠沼海岸2-8-26)に開設(初代局長=浅場金兵衛)
1919 大正 8 12 16 鵠沼郵便局、鵠沼下岡6660番地(鵠沼松が岡三丁目)に新築・移転
1936 昭和11 3 30 鵠沼郵便局、鵠沼下岡6653番地(鵠沼海岸 2-7-3)に新築・移転
1944 昭和19 3 28 4郵便局、藤沢郵便局に統合
1945 昭和20     戦後、統合した郵便局を分離、鵠沼郵便局に復活
1964 昭和39 8 1 鵠沼郵便局、鵠沼海岸郵便局に局名改称。住居表示鵠沼海岸2-7-3に変更
1980 昭和55 1 14 鵠沼海岸郵便局、鵠沼海岸3-1-12に新築・移転
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鵠沼を語る会 副会長/鵠沼郷土資料展示室 運営委員 渡部 瞭

[参考文献]
 
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