藤沢市とは博物館・美術館・文学館を造る価値のない都市なのか
 藤沢市には博物館・美術館・文学館を造るのが遅れた何か特別な理由があるのでしょうか。 
 市議会で、博物館・美術館がないことを指摘されたとき、市当局の答弁は財政難を理由に挙げています。しかし、財政難は全国的な課題
であり、藤沢市だけが特別に財政難だったわけではありません。この間ずっと地方交付税不交付団体で、総務省から優良自治体の評価を
受けてきたことになります。そして、藤沢以外の各都市では博物館・美術館の建設を行ってきているのです。近隣の都市を見ても、茅ヶ崎市
は、1998(平成10)年に美術館を開館し、鎌倉市では野村総研跡地に博物館・美術館の総合館建設計画が進んでいます。鎌倉市には既に
国宝館と県立近代美術館(本館・分館)があるのに加えての計画です。
 バブル崩壊後の1990年代以来、藤沢市では何も「ハコモノ」を造ってこなかったのかというと、そんなことはありません。市民病院外来棟
増築(2000)、 総合防災センター(2002)、遠藤市民センター(2004)、救命救急センター・藤沢市保健所・南保健センター・明治市民センター・
片瀬漁港(2006)、藤沢市観光センター(2007)、学校教育相談センター(2008)、御所見市民センター(2009)などが次々にオープンしました。
 これらの施策を見ると、「生命と暮らし」をコンセプトに進めてきた姿勢が読み取れます。
 この10月1日、市制70周年を期し「私たちの藤沢 健康都市」を宣言したそうです。それに別に異議はありません。
 しかし、憲法第25条にはこうあります。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
 健康を重視する余り、文化がないがしろにされてきたのではないでしょうか。
 「私たちの藤沢 文化都市」を宣言するのは、まだまだ先のようです。
 藤沢市には他の都市に比べて取るに足るような文化がないとでもいうのでしょうか。あるいは伝えるべき歴史や護るべき自然環境がない
とでもいうのでしょうか。
 ちょっといたずらして、藤沢市における日本一、日本初がどれだけあるかを調べてみました。大した都市だと判るでしょう。
西暦 和暦 記            事
1872 明治 5 8   フランスの法律家=ジョルジュ・プスケ、カタシエ(片瀬)で夕食前に海水浴=西洋式海水浴最古の記録
1877 明治10 米国の生物学者=エドワード・S・モース、江の島にシャミセンガイ研究のために日本初の臨海実験所を設営
1885 明治18 サムエル・コッキングによる日本初の熱帯植物園、完成
1887 明治20     鉄道開通を機に伊東将行らによる日本初の大型別荘分譲地「鵠沼海岸別荘地」開発がはじまる
         
1959 昭和34 江ノ島鎌倉観光が日本初の野外エスカレータ「エスカー」を建設
1962 昭和37     佐賀兄弟らが日本初のサーファー組織「サーフィングシャークス」を結成
1963 昭和38   西浜海水浴場警備員、「湘南ライフガードクラブ」を結成(日本初のライフガード組織)
1964 昭和39     東京オリンピック開催に際し、日本で初めての競技用ハーバーとして「江の島ヨットハーバー」を建設
1971 昭和46 6 22 鵠沼で描かれた岸田劉生『麗子微笑』、近代洋画としては最初の国指定重要文化財になる
1973 昭和48 10 10 日本初の市民オペラ=第1回藤沢市民オペラ『フィガロの結婚』公演
1974 昭和49     藤沢市文書館、開館=市町村としては日本初の公文書館
1982 昭和57 1   〜1984、マクドナルド江の島店(鵠沼海岸)、一日売上と月間売上の世界記録を3年連続更新
1982 昭和57 6 22 藤沢市核兵器廃絶平和都市宣言=日本初
1983 昭和58     鵠沼海岸と辻堂海岸で日本で初めてボディボードが始まった
1987 昭和62 8 9 〜11、鵠沼海岸で日本初のビーチバレー公式大会「第1回ビーチバレー・ジャパン」開催
1989 平成 1 1 22 国内初のスタントカイト競技会、鵠沼海岸で開催
1991 平成 3 6   鵠沼海岸で世界初のビーチタッチフットボールのプレイベント開催。12チームが参加
1995 平成 7 6 12 藤沢市によりサーフビレッジ前の砂浜に日本初のビーチバレー用「湘南鵠沼海岸常設コート」設置
2000 平成12 5   ビーチアルティメット全国大会である第1回EBASHI-CUP(江橋カップ)を鵠沼海岸で開催。以来毎年開催
2001 平成13 7   第1回ザ・ビーチ選手権大会が鵠沼海岸で開かれる。以来毎年開催
2004 平成16 7   〜8月、藤沢3海水浴場の海水浴客数=4,517,381人=日本一。以後も連続日本一
2004 平成16     藤沢市、『日経パソコン』 e都市ランキング 2004で第1位。以後も上位を続ける
2005 平成17 3 1 神奈川中央交通、湘南台駅と慶應大学間に日本初のノンステップ連節バス「ツインライナー」を運行
2006 平成18 5 18 藤沢市で日本初の税金のクレジットカード納付がはじまる
2009 平成21 10 17 国際テニス連盟の公認大会「湘南国際ビーチテニストーナメント」鵠沼海岸で日本初のG3開催
2010 平成22 1 30 慶應大学SFCで全国初の討論型世論調査実施
2010 平成22 8 14 ・15、鵠沼海岸で国内初の中学生ビーチバレー全国大会
2010 平成22 9 1 潟yダル・湘南工科大学・藤沢市の3者は、「バイクシェアリングシステム」産学官の連携による社会実験を実施
2011 平成23 5 26 パナソニック工場跡地に日本で初めての環境都市=スマートタウン構想計画発表
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