藤沢市議会での主な論議 (平成15年〜平成18年)
平成15年 2月
定例会
◎市長(山本捷雄)  大学や企業と連携協力し、藤沢で培われたさまざまな知や技術の情報を収集し、藤沢の新しい価値を創造する芽を育てていきます。特に、中小企業の特許取得等の支援を行ってまいります。
IT関連の取り組みとしては、統合型GISの構築、学校イントラネットによる博物館資料の学校教育での活用などを進めるとともに、e−ケアタウンふじさわプロジェクト等を国の研究事業として引き続き実施いたします。
◎市長(山本捷雄) さらに、博物館の資料情報や江の島の展望灯台からの映像情報については、地域や学校にも配信することができ、生涯学習や防災活動、学校教育にも活用できるものであります。
平成15年 3月
予算等
特別委員会
◎峰尾 企画部参事 博物館の資料整理とか、埋蔵文化財の復元資料整理とか、継続的に今まで行っている事業がございますので、それにこの財源を当てはめたというところでございまして、メニューとしては確かにたくさんございますけれども、現在私どもの課題としてなっております視点に重きを置いて予算を組んだということでございます。
◆村上 委員  博物館に関する問題。博物館準備費1億7,324万円とあるんですが、この博物館の建設という構想が、昭和58年の前から、本市において博物館建設準備の構想というこれが、一貫してもう二十数年実はたってきております。その間に、高橋コレクションの収集であるとか、または埋蔵文化財、大庭であるとか、いろいろ収集しています。準備担当室もつくりながら、相当なエネルギーと人的な要因を踏まえながら今日までやってきた経緯があるわけです。
 しかし、こういう状況下の中になって、博物館の建設構想的なものが現実的にこれからなし得るのかどうかという問題。いろんな埋蔵文化財の問題、高橋コレクションの保管場所の問題とかいう説明が今までついてきたところなんですが、これも大きな政策判断になっていくと思う状況下の中にあって、この予算書を見ると、博物館の収集に対する保管料も恐らく年々相当数上がってしまう。
 文化振興のための埋蔵であるといったものを大いに啓発するというのは大賛成であるんです。博物館構想は、やるなら、きちっと。博物館構想のありきというのはどうなのか。卑近な、平塚の博物館に行っても、最初は来たけれども、最近は非常に厳しい。当然ここにはランニングコスト、イニシャルコスト等の問題になってきたときに、果たしてこれが存在が成り立つのという問題がかなりシビアな問題としてとらえていくべきだろうと思う。
◎齋藤生涯学習部
参事
 博物館に関すしては、総合計画2020の中には建設というものは入ってございません。しかし、私どもの方で博物館開設のために購入した備品も相当数に上っておりますが、過去の構想ということもありますけれども、現状といたしましては、いろいろな施設を使って公開をしていく、あるいはインターネット等も使いまして公開をして市民の方々の目に触れていただくという、厳しい財政状況の中ではそのように現在考えてございます。今後の財政状況の展開によっては博物館の建設ということもあるかもしれませんけれども、現状では2020の中で位置づけられておりません。
◆村上 委員 博物館も2020には明確になっていないということはわかるが、もう二十数年でしょう。多大な資料は大いに結構、インターネットに公開しながら、市民ギャラリーを使いながら、いろんなところで藤沢の文化、習慣、歴史的なもの、どんどんPRしていくというのは大事なことなんです。だから、生涯学習大学のこともこの間聞きました。非常に大変すばらしいことでやっているなと思ったんだけれども、博物館そのものに名を語った形で今日まで来ちゃって、博物館のあり方というものを対応していかないと――これは参事の判断じゃ、これは助役の方としても考えないと、博物館はもう二十数年です。これは都市計画になし得た道路がまだできませんよという問題と状況が違うわけです。施設のところだもの。
 現状の中じゃ、3年、5年でできるのという問題になってくると、まず100%無理でしょう。そういったことをやっぱりどこかで政治判断するなりしていかないと、何か博物館建設構想に伴って二十数年来ているわけです。何回も予算委員会で昔やったことがあるんだけれども。いつまで来たって、隠れみのになっちゃっている面があるわけ。どうせやるなら、もうちょっとすっきりしてやった方が担当の方だってやりやすいだろうし、名前だけ載っかっているという要素があるので、これは別にもう少しきちっと整理しないと厳しいかなと思う。
◎窪島 助役  博物館に関しまして基本的な考えでございますが、現下の大変厳しい財政状況の中におきましては、博物館を建設していくということについては現実的な考え方でない、このような認識をいたしております。今までの収集いたしましたこれらにつきましては、公開型保管庫なるものを設置いたしまして、多くの市民の方々に公開していきたいと思っておりますし、博物館ということではなく、いわば郷土資料館的なもの、こういったものができるのか、できないのか。この辺のところにレベルを落としまして最終的に議論をし、結論づけをしていきたいと思っております。
平成15年 6月
定例会
◎市長(山本捷雄) 施設面では保健医療センターや野外体験施設など藤沢にしかない施設や、美術館、博物館など藤沢市が備えていない施設の状況も、より細かく把握することができました。これらの成果については、茅ヶ崎、寒川町との2市1町で進めてきました湘南広域都市行政協議会における施策の一層の連携に役立つものと考えておるところでございますので、これからも2市1町の湘南広域都市行政協議会において一層の連携を強めてまいりたい、このように考えております。
平成15年 6月
議員全員協議会
◎山本 市長  藤沢の中では、これは文化面でありますけれども、例えば美術館とか博物館がないよ、こういうように言われているわけであります。しかしながら、茅ヶ崎だとか平塚にはあったわけでありますので、お互いにこういうものを利用させて(中略)もらったらどうかなと、こんなような思いがあるわけであります。
平成15年 9月
定例会
◆渡辺光雄 議員 博物館準備費について。市民の財産である文化財の有効活用に努めるべきであり、その際には市民ボランティアの意見も十分参考にして運営するよう要望いたします。
平成15年 9月
総務常任委員会
◆保谷 委員 博物館で資料整理費という形で予算が補正として提案がされていますが、そのときの説明ですと、郷土史家で亡くなった服部清道先生の資料を整理していきたいというような御説明があったかと思いますが、もう少し具体的な形でお教えいただきたいと思います。
◎齋藤 生涯学習部
参事
平成10年の4月に服部先生の方から、歴史資料を中心として、おおよそ4万1,000点の資料の御寄贈がございました。そのうちの歴史資料につきまして、1万8,000点等がございますけれども、それの部分の約6,000点を今年度下半期に整備をしたいという内容でございます。閲覧利用が予測される資料の整理作業及びマイクロフィルム撮影で、閲覧利用に対する資料の原本の保全も目的にしてございます。
 具体的な実施内容でございますけれども、資料の分類、内容の確認、あるいは目録の作成、マイクロ撮影で、今回はおおよそ6,000点を予定してございまして、これは委託の事業になるわけですけれども、4人の方を採用いたしまして、事業を実施していきたいという内容でございます。
◆柳沢 委員 今回の補正は、次世代の問題、一般労政費、消防、予防事業、博物館だと思いますが、どれくらいの人数が雇用創出になるのか、予定をされているのか。
◎伊勢 財政課
課長補佐
 今回補正におきましては、4事業お願いしております。次世代育成支援対策推進事業、新規雇用を6名見込んでおります。求人調査事業、一般労政費で8名、防火対象物の定期点検報告制度の普及活動、5名、博物館の歴史資料の整理保存事業3名、合計22名の新規雇用を創出するということで見込んでおります。
平成15年 9月
決算特別委員会
◎武田 産業振興課
課長補佐
町、景観づくりへの取り組み。湘南地域の玄関にふさわしい町並み形成を図っていく。そのほかといたしまして、プチミュージアムの創設、あるいはポイントカード、高齢化に対応する事業の推進、そして憩いの場づくりのショッピングパティオ、湘南イメージの町づくり、そして町づくりと商業活性化推進組織の形成。
◆古橋 委員 博物館準備関係事務費の中にも「博物館準備だよりbT」の刊行2,500部とあります。博物館準備だよりの準備という言葉がとれるようになるのは大変期待をしているところなんですが、その状況について。
◎齋藤 生涯学習部
参事
博物館の準備の関係で他機関と調整を進めているか、中身、資料の購入については進めてございます。あるいは整備についても進めてございますけれども、他機関という意味、私もよく理解ができないんですけれども、例えば茅ヶ崎市との調整だとか、そういうことで理解させていただくと、そういうことは一切しておりません。
◆保谷 委員 博物館がいつできるかどうか見通しがつけにくい。類似する建物、美術館がない本市にとって、現在の市民ギャラリーは、芸術文化の拠点施設になっている。また、そこでは市内の各種団体、そして、サークルの方たちの発表の場になっている。市民ギャラリーの管理費のこと伺いたい。平成14年度については30日間美術館を実施したということで、一般の貸し館的なもの以外にも多少の工夫を凝らして、専門的な立場で企画をなさっているということは評価する。現在JR藤沢駅の中にある市民ギャラリーはの現在の利用者の実態はどうなっているのかどうか。
 市民ギャラリーとして借りたのは、もう累積で十数年は経過していると思うが、何年前ぐらいから借りられているのか、そして、駅ビル内ということの中で、利便性があるということで、大変高額な賃借料で、数字の中にも管理費が7,660万円ぐらいで、恐らく賃借料や一般の管理業務のトータルの金額ではないかと思うが、月額にして賃借料はどれぐらいか。 高価な貴重な展示物が催しによっては出されるが、セキュリティ問題はないのか、日常の清掃業務は、JRの子会社がやっているけれど、管理料削減のための福祉部門のところに清掃業務を委託するようなお考えはないか。
◎福島生涯学習部長  ギャラリーのあり方につきましては、ギャラリー運営協議会の皆様方からも御意見をいただいているところでございまして、美術館、博物館がない中でフル回転の状況がありまして、私ども企画展、特別展等、開催するに当たりましても、余り市民の利用を邪魔しないといいましょうか、そういう配慮も必要な部分があります。そういった中で、今御指摘いただきました市民の活力、教育委員会と市民の皆様との共催という中での特徴ある事業展開の必要性は感じております。そのために30日美術館がやっておられるわけでして、これも美術家協会、関係団体の御尽力をいただいてやっておるところでございまして、今後、そういった視点を持って考えていきたい。あるいは施設の有効活用という意味では、まだ結論は出ていませんが、ロビー関係の壁面をもう少し有効活用したらどうかというのが運営協議会の御意見がございますので、そういうことも含めまして、さらに市民活力をいただきながら、市民ともども事業展開していきたいという考えです。
平成15年12月
定例会
◆真野喜美子 議員 藤沢市民ギャラリー内の高橋コレクションの常設展示場について、ここをもっと美術館の機能を持たせることができないかという点でお伺いをしたい。先月末、高橋コレクションの常設展示場を利用してのミニ美術館、藤沢市30日美術館上田臥牛展を鑑賞してまいりました。今回で3回目。1回目は片岡球子さんの賛助出品で話題となりましたふじさわ・今日の作家展、2回目は荒木壤太郎展でした。2回、3回は藤沢市に暮らした今は亡きお二方のそれぞれの回顧展でしたが、親しみを持って絵の世界に浸ることができました。今回は特に会場内にソファーも置かれ、腰を下ろしても鑑賞できるようになっていたことは、とてもよかったと思います。
 この30日美術館、規模も展示会場スペースも限られてはいますが、回を重ねるごとにミニ美術館としての位置づけを確かなものにしてきているように思います。入場者数も、1回目は4,247人、1日当たり146人、2回目は5,006人、1日当たり167人、今回はまだ21日までで継続中ですので、わかりませんけれども、入場者数は少しずつふえているように思います。会場でお会いした方は、大きな美術館ですと、つい構えて見るようになってしまいますが、ここは小ぢんまりとした雰囲気の中、気楽にゆったりリラックス気分で鑑賞できるのがいいですね、また、交通の便もよいので気軽に足が向きますとおっしゃっていました。
 30日美術館を知る市民にはなかなかの好評のようです。これまで藤沢市に縁の深い作家の作品が紹介されてきましたが、より一層企画の充実を図り、他の企画展ともども常設展示場がミニ美術館として市民に親しまれるよう御努力をしていただきたいし、期待いたすところでございます。今後どう取り組むのか。
◎福島生涯学習部長 市民ギャラリーの所在をわかりやすく表示できないものかについて、市民ギャラリーの所在案内につきましては、現在、広報ふじさわ、各催し物のチラシ等及びホームページでお知らせしております。市民ギャラリーに行く人の多くは駅のコンコース部分からルミネビル3階部分を通行し、エレベーターに乗ることと思います。この階の入り口付近には各種の食料品店がテナントとして入居しているため、案内掲示する場所が限られておりますので困難かと思われます。表示プレートにつきましては、所有者である株式会社ルミネと協議しまして、現在設置している掲示等を公立施設としてわかりやすいものにすることについての検討をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 藤沢市民ギャラリーにおけるミニ美術館的事業の取り組みについて。市民ギャラリーは開館時からギャラリーとして、市民の作品の発表の場、鑑賞の場及び交流の場として利用されてきました。美術館機能的な催し物といたしましては、常設展示室を利用し、30日美術館の企画展を開催してまいりましたが、今後も企画内容をさらに充実させ継続してまいりたいと考えております。
◆保谷秀樹 議員 藤沢ルミネプラザの6階にある市民ギャラリーは、昭和62年の開設以来、数多くの市民の方々に活用されるとともに、毎年幾つかの企画展を開催し、最近では30日美術館と題し、プロの作品構成による美術展なども開催されています。先日、私も現在会期中である藤沢在住の画家であった上田臥牛展を見てまいりました。生前、上田画伯が美術館建設に並々ならぬ思いを寄せていられたことを会場にて思い起こしました。
 市民ギャラリーは、既存のビル内にあるため、施設面や設備面での制約がある上、運営面ではプロの作家の個展や芸術的価値のより高い作品による企画展を開催するには多くの課題を抱えているものと思います。また、利用者にとっては交通至便な藤沢駅の隣接地でありますが、その分年間の賃借などにかかわる経費も7,000万余と莫大な予算を費やしています。財政面及び運営面から、費用対効果と芸術文化の発信する場としての機能の充実を考えると、現状での市民ギャラリーのあり方を充実を図る方向で見直すべき時期ではないかと考え、美術館などの関連もいかがでしょうか。
 本市の生涯学習にあって未設置の施設に博物館並びに美術館があります。本市の将来像として標榜する「歴史と文化と自然のネットワークするまち」を具現化し、その指標となる施設として博物館なり美術館が挙げられるのではないでしょうか。平成13年度から進められている実施計画の中には、残念ながら博物館、美術館の文字が見当たりません。
 平成8年及び平成10年と2回にわたり博物館、美術館について一般質問をさせていただいた折に、大変前向きな御答弁をいただいております。この4年のブランクの間にいつの間にか博物館、美術館の文字が消え去った。
 全国で30万以上の人口規模のほとんどの都市には博物館なり美術館があり、県内にあっても、近隣の都市には既に設置されており、文化都市としてのステータスであります。地域の歴史はその地域の特性に基づいた固有のものであり、ここ藤沢でしか接することはできません。ここ藤沢の地域文化は数多くの人々が培った歴史の中で生まれ、はぐくまれ、継承され、さらに新しい文化も歴史を踏まえる中で初めて創造され、発信できるのではないでしょうか。
 低経済成長が長期化している現在、新規施設の建設については大変厳しい状況にあることは十分に承知をしておりますが、長年の懸案であり、市民要望も強く、過去に本議会で多くの先輩議員たちがその建設に関する趣旨了承や請願採択をされた博物館、美術館の必要性をどのように認識されているのか。また、次代を担う子どもたちの教育環境という観点も含めてどのようにとらえているか。博物館や美術館における学習支援は、私たち大人ばかりでなく子どもにとっても、地域の歴史や文化財を保護し、未来に向かって継承し、藤沢を愛する心や新たな文化の創造力をはぐくむ実物媒体による教育における大切な役割を担います。博物館、美術館のある近隣都市の子どもたちの教育環境から考えると、本市においても博物館等の整備が必要と思いますが、どのように考えているか、お聞かせください。
 さらに、今後どのような方向性、将来展望のもと、どのような構想を持って課題解決していくのか、お考えをお聞かせください。財政的な負担の軽減化や、それぞれの機能の相乗効果などを勘案し、博物館と美術館をそれぞれ個別に建設するのではなく、複合施設としてのあり方なども検討されてはいかがでしょうか。
◎教育長(中村喬) 市民ギャラリーは、昭和62年2月に開館をし、主に市民美術団体の創作活動の発表と鑑賞の場として、展示室の貸し出しや市主催の美術展等を行っており、年間約12万人の市民が来館し、貸し館としての稼働率は毎年100%となっています。平成15年度における市民ギャラリーの主催事業としては、30日美術館を初め、カナガワビエンナーレ国際児童画展、藤沢市民「文化のつどい」展等を行っています。市内文化団体や学校関係団体と8事業の共催事業も行っています。
 今後の事業につきましては、限られた施設規模や予算の中で、30日美術館の充実、関係団体の協力のもと、湘南の文化にふさわしい企画を考え、充実してまいりたいと考えています。
 市民ギャラリーの今後の運営につきましては、交通の便もよく、使用の競争率も高く、運営については難しい点もございますが、市民ギャラリー運営協議会とも協議しながら検討していきたいと考えています。
 博物館並びに美術館につきましては、その対象とするものによって性格がいろいろございますが、資料の収集、調査研究、保管、展示公開などの専門的な機能とともに、市民の方々への情報提供や学習支援など、生涯学習における役割も担ういろいろな機能を持つ施設でございます。
 本市の場合、これまでに考古、民俗、歴史資料を対象とするいわゆる人文系歴史博物館を目指し、準備をしておりますが、地域における文化財や歴史を保存、活用し、後世に継承することは大切なことであります。なお、次代を担う子どもたちにとっても、先人たちの生活に触れ、身近な地域の歴史を理解することは大切であり、歴史博物館の果たす役割は重要であると認識しております。
 また、美術館にあっては、美術作品をその対象の中心に据えた博物館であり、新たな文化の創造力をはぐくむ教育環境の醸成、文化施設の整備という観点からも、必要な施設として認識をしております。しかしながら、不況が長く続く中で、博物館なり美術館は、それ相応の施設規模や相当の建設費が必要となり、一度にすべての機能を備えた施設を整備することは、現状では困難であると考えております。複数の博物館機能の中で段階的な整備を図るという考えのもと、ふじさわ総合計画2020実施計画の中では、展示機能と、特に温湿度管理が必要な資料の保管機能をまず整備するということから、公開型保管施設の整備事業を位置づけ、検討をしております
 これまでにも、市民ギャラリー常設展示室などにおきまして収集資料の紹介展や藤沢の歴史に関する企画展などを開催するとともに、本年5月に開設いたしました電子博物館みゆネットふじさわでは、地域イントラネット並びにインターネットにより、本市の歴史や文化財、博物館資料などに関する情報提供を進めております。
 また、市内の小・中学校に対しては、学校教材として可能な限り博物館資料を貸し出すとともに、市内の遺跡から出土した考古資料を携えての出前講座なども実施し、博物館の学習支援の補完にも努めております
 美術館についても、博物館同様、一度にすべての機能を持つ施設の展望については現段階では困難でございます。しかし、当面は既存施設を有効活用する中で、企画展などの内容の検討を図り、美術館の実現を願う
◆保谷秀樹 議員 「博物館・美術館構想について」、その必要性は十分認識されているように思いました。私がこの件名で以前に質問をしました平成8年及び10年には、建設場所及び規模についても明示がされておりました。この財政難の折、早急な建設をではなく、少なくとも総合計画2020の後期計画の見直しの中にその構想の再検討をされますよう私は考えています。
◎助役(窪島高大) 現下の藤沢市の大変厳しい財政状況の中におきましては、博物館あるいは美術館、これらを合築機能でつくってはどうかという御提案でございますけれども、具体的に今検討をでき得る状況ではないということをぜひ御理解いただきたい。
 しかし、現在、藤沢市内にも多くの現役で活動しておられる美術家の方々も大勢おられることは、私もよく承知をいたしております。市内のギャラリー等におきまして、そういった展示即売をしておられる、そういったことも私、承知をしておりまして、そういうようなことから藤沢市におきましても広く市民の方々にこれらの方々の作品を鑑賞していただきたい、市民ギャラリーにおきまして30日美術展を初めとした何回かの鑑賞会を行っているところであります。
 また、先日は、本市ゆかりの長谷川路可先生の作品を藤沢市に大変多く御寄贈いただいております。また、歌川広重の浮世絵等も本市では所蔵しておりまして、こういった藤沢市が所蔵する多くの作品を広く市民の方々に鑑賞していただく、そういう場面というのはどうしても必要であろうなと、思っておりますし、また、本市で所蔵しております藤沢市のさまざまな博物館向けの資料も多くございます。こういったものにつきましても、ぜひ市民の方々に見ていただきたい。そして、多くの子どもたちにも勉強の一助とこれはなるであろうと、思っておりますので、そのようなそれぞれのものをどのような形で市民の皆さんに鑑賞していただけるか、そういったことにつきましては十分に検討するに値するものである。
 したがいまして、今後、これらにつきましては、館をつくるということは今の段階では考えられませんけれども、どのような形で広く市民の方々に鑑賞していただけるか、そういったことについては十分に検討してみたい。
平成16年 2月
定例会
◎市長(山本捷雄)  昨年開始した「電子博物館・みゆネットふじさわ」により、藤沢の歴史や博物館資料に関する情報をインターネットで配信し、学校教育での活用と市民への情報提供を行います。本年4月に新たにオープンする「新江ノ島水族館」に設置される「なぎさの体験学習館」を活用し、湘南の海、生物、環境を学ぶ海洋環境学習事業を実施します。
平成16年 3月
予算等
特別委員会
◎須藤IT推進課主幹 地域イントラネットにつきましては総務省の補助事業でございまして、平成14年度に構築をしてございます。内容といたしましては、公民館施設予約システムであるとか、博物館の資料情報を提供するであるとか、江の島の展望灯台にテレビカメラを取りつけまして、例えば災害時の映像を配信する、平常時についてはインターネットで市民の方々に映像を提供するというような、そんなような事業をしてございます。これの実績ということになろうかと思いますが、例えば博物館のみゆネットふじさわという、博物館の情報を提供するものでございますが、これについては月当たり1,800ぐらいのアクセスがあるというような状況になってございます。
◆河野 委員 今、島の入り口で大変大規模な工事が行われております。あの施設の外観等が島の観光に影響を与える、与えない、いずれにしても観光的視点でどのようにとらえていらっしゃるか、お聞かせいただきたい。島ぐるみ野外博物館構想とのマッチングはできているんでしょうか。
◎石渡計画建築部長  江の島の限られた都市基盤整備の中での住民の増加につきまして、やはり都市基盤整備が支え切れないというような危機感がございまして、江の島のまちづくりがスタートしたというのが背景としてございます。これは63年に島民の皆さんがそうそう危機感を持ちまして、島民総意でまとめられました江の島憲章というものが住民の方から提供されてございます。これは島ぐるみ博物館という名称で皆さん御存じかと思いますが、それに沿いまして、観光資源の再生と都市景観の形成という2本立てでこれまでまちづくりが進められてきたというような状況がございます。その中で、これまで観光客の誘客という面で、江の島の島民の方は取り組んできたわけでございますが、これを契機といたしまして、やはり江の島の文化、歴史、そういうものを取り入れたまちづくりが必要ではないかということの方向転換によって、こういう景観形成地区に基づく特別景観形成地区によって、デザイン、町並み整備、修景整備をその景観条例によって行うと。また一方、建物の高さ、建物の用途、そういうものについては景観条例は担保性がございませんので、やはり法的な位置づけをするということで、地区計画制度の導入によって両面からそういう規制をかけてきたという状況等がございます。
平成16年 6月
定例会
◎新井財務部長 6項1目社会教育総務費の細目07博物館資料公開活用費は、東海道五十三次や江の島の浮世絵に関する展示会の開催及び改修整備する江の島入り口観光案内所において、ホームページ上やパネルで江の島に関する情報提供の充実を図る経費
◆三野由美子 議員 都市計画課の方で「江の島のまちづくり」というパンフレットをおつくりになって、これは昭和63年から立ち上げられた江の島島ぐるみ野外博物館構想というのがあります。これは今、古いものなんですが、現在お使いになっていらっしゃるパンフレットの中にもあると思います。江の島のまちづくり憲章という、住民の方々も参加されてつくられた基本精神にのっとった江の島のまちづくりの合い言葉が、この江の島の島ぐるみ野外博物館構想であるというふうに、この中で説明されているんですけれども、こうした情報提供のソフト面を充実されるに当たって、この江の島島ぐるみ野外博物館構想という考え方との関連性について、どのようにお考えであるのか、お聞かせください。
◎金井経済部長 島ぐるみ博物館構想と、江の島の今回の観光補正予算との、最近の江の島の整備についての関連性というふうに受けとめておりますけれども、島ぐるみ博物館構想というのがございまして、それを受けまして、それ以後、江の島の整備が進められているわけでございまして、江の島のいろいろな面での整備には、それがもとになって進められている。
◎西山生涯学習部長 博物館資料情報提供費の関係でございますけれども、まず、予算の内容につきましては、江の島観光案内所の改築に伴いまして、新たに電子博物館みゆネットふじさわの中に江の島コーナーを新設、更新する。具体的な情報提供内容としましては、島内にあります石造物、絵画、彫刻などの文化財を初め、動物学者であるとともに日本考古学の父でもあるエドワード・モース博士など島を訪れた人々の紹介、また、江の島の自然などに関する内容を予定しております。
 先ほど島ぐるみ野外博物館構想との関連の御質問もございましたけれども、この構想は、この情報の関係で申し上げれば江の島まちづくりの目標でありますことから、島内の歴史的な文化遺産や自然などについても情報提供の内容に取り組み、検討してまいりたいというふうに考えております。
◆三野由美子 議員  この江の島の島ぐるみ野外博物館構想と、歴史や文化財などの情報提供ですね。江の島憲章の中でも、江の島の歴史ですとか自然や文化、民俗的な有形無形のものなどを大切にしていくというようなこともうたわれていて、非常に関連性、リンクしているのではないかと思ったんですけれども、島ぐるみ野外博物館というキャッチフレーズ、非常によいと思うんですね。というのは、近年、丸ごと博物館という構想を各自治体でも立ち上げられておりまして、今でこそ5,100件ぐらい、先ほども検索してみますとヒットされたんですけれども、昭和63年に既に藤沢市ではこのような考え方があったということで、これはもう全国に先駆けてまとめられた、この合い言葉をこれからも生かしていくべきだと思いますし、観光や文化面の情報提供の充実という、この内容、ホームページ上での内容ももちろんあるんですが、そのベースになるものとして、まちづくりの推進をサポートしていくという考え方も持って進めていかれるべきだと思いますが、そのあたりのところまで御配慮いただいているというふうに理解いたしましたが、そこのところ、もう少しお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
◎助役(石渡朝司)  この憲章は63年に島民みずからが策定した憲章でございまして、その中の一つに、江の島の歴史的文化遺産を守るという言葉が6つの旗印の一つとして掲げられてきたということでございます。このため、島全体のまちづくりといたしましては、もう既に15年がたつわけでございまして、昨年、江の島灯台が集大成としてできたわけでございまして、今後はこういう文化財関係を市内または全国にアピールしていく時代に来たのではないかなというふうに考えてございます。
 このため、今回の旗印の一つでございます歴史文化遺産を守る、後世に伝えるというものにつきましては、もう既に島民みずからが、例えば旅館、ホテルの中にミニ博物館をつくったり、そういう活動をもう既に現在行われてございます。そういうものも含めまして、江の島の中には数々の文化遺産、また神社、仏閣等がございますので、そういう現在余りアピールされていないものについても、今回のこのシステムを使いまして全国にアピールできたらというふうに考えてございますので、それをもちまして、また産業振興というか、商業振興の活性化の中にもつなげてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆三野由美子 議員 文化財等の公開をベースにしたまちづくりが全国的に注目されております。全国では丸ごと博物館といった名前がつけられていることが多いのですが、その内容は町によってそれぞれ特色があり、あるものは散策型であったり、また、あるものは1カ所に核となる文化財や歴史的建造物や、また展示館がある場合、また、これといった特色がなくても地域産業などを活用したアイデアで町をアピールしていく場合など、それらの形もさまざまです。共通する点は、箱物や財政圧迫要素の象徴にされがちであった博物館というものを町の活性化のキーワードとしているという点です。観光事業の推進や商店街の活性化など、自治体のイメージアップだけではなく、町の活力を高め、新たな財源をも目指している例もあります。
藤沢市は全国に先駆けて、江の島でこうしたまちづくりが行われている先進市でありますが、今後、市民と協力して文化財の公開を核としたまちづくりを進めるというお考えについては、どのようでありますでしょうか。
◎西山生涯学習部長  「市内の文化財について」、本市ではこれまでに藤沢市史の編さん過程、文化財総合調査、博物館準備のための調査、その他の個別テーマによる調査を実施し、寄贈、寄託、購入、制作、発掘調査などの方法により資料収集を図ってまいりました。その結果、現在では考古、民俗、歴史、その他の文化資料などを中心に、実物資料を初め複製品などの二次資料も含め、20万点を超える資料を市で保管しています。また、これらの収集資料の特色につきましては時代や分野によって異なりますので、一言で御説明するのは難しいことですが、例えば一つの考え方としては、道と人、あるいはその交流が特色であり、資料収集のテーマ設定ともなると考えられます。いずれにしましても、資料の一つ一つがそれぞれの時代に生きた人々の生活や考え方を知る上で貴重な地域に密着した資料であり、藤沢の歴史的特性を考える上でかけがえのない資料でございます。今後とも所蔵者の方々の御理解、御協力のもと、新たな視点も加え、これらの資料の散逸や消滅の防止及び記録保存を図るため、資料収集、調査を積み重ねてまいりたいと考えております。
 公開型保管施設につきましては、博物館機能の段階的整備を図るという視点から、その機能として、特に本格的な温室度管理が必要な収集資料の保管と公開のための設備を備えた施設としてとらえていますが、今後、総合計画2020基本計画の見直し作業の中で、保管や展示以外の機能との関連を初め、その規模や運営管理などについて検討してまいりたいと考えています。
 文化財等の公開並びに展示会の有料化についてお答えいたします。文化財や歴史資料などの公開については市民共有の財産であり、公開することが原則であると考えておりますが、公開の条件整備及び市以外の資料につきましては、所蔵者の御理解と御協力が前提となります。現在、本市では公開に当たりましては本格的な施設が未設置ですので、さまざまな制約がありますが、市民ギャラリーの常設展示室を中心に資料紹介展や藤沢の歴史などをテーマとした企画展を開催しております。一方、これまでの調査結果や収集資料を刊行物として公開するとともに、昨年5月から電子博物館みゆネットふじさわを開設し、インターネットによる公開も図り、実物公開の補完としても活用いただいております。今後とも文化財や歴史資料などの公開活用に努めてまいりたいと考えております。
 展示会などの有料化につきましては、他市町村の事例並びに展示会の趣旨、構成、規模などにかんがみて検討してまいりたいと考えております。
 文化財等の資料収集や公開における市民参加のあり方についてお答えします。まず、市内の指定文化財の大半は、市以外の個人や団体並びに社寺が所蔵者であり、その管理、公開活用につきましては、それぞれの所蔵者の方々が主体となって取り組んでいただいております。
 また、資料収集や調査に当たっては、対象分野によりましては市民の方々からの情報提供や御協力のもとに進めているものもあります。さらに、市民の方々の資料収集や公開活動への支援につきましては、それぞれの要請に応じて学習会への講師派遣や自主事業に対する後援などの支援を図っております。
 近年、市民参加によるさまざまな博物館活動が盛んで、保存中心から参加、体験、活用へという博物館機能に対する視点の推移に伴って、市民との協働による博物館活動や市民への学習支援という、生涯学習における博物館の果たす役割は大きくなっています。今後、博物館の具体的な運営管理を検討する折には、本来の博物館の固有機能である資料収集、調査研究、整理保管、公開に加え、地域に根差した市民参加による視点も十分にとらえ、検討してまいりたいと考えております。
 文化財の公開を核としたまちづくりについて。藤沢は首都圏に位置する都市として、住宅、観光都市、学園都市あるいは商業都市として、さまざまな顔を持つ都市であります。本市の将来像といたしましては、湘南の海にひらかれた生涯都市藤沢、歴史と文化と自然がネットワークするまちを標榜し、さまざまな施策を展開しているところでございます。その中で、文化財や歴史的資源を生かすことは今後の地域のまちづくりを進める上でも大切な要素の一つであると考えております。江の島地区における島ぐるみ野外博物館構想などは、江の島という歴史的特性が他の地域よりも強く、観光資源としても活用が図られる地域においては有効なまちづくりの考え方ともなります。市内の地域にはそれぞれの文化財や歴史的資料の多寡があり、それぞれの地域資源を生かす考え方により、まちづくりが進められるべきものと考えている。
◆三野由美子 議員  ミュージアムというものは今まで箱物行政の象徴のように言われていたんですけれども、地域の財産をあるがままに保存するなどの、まちづくりによって地域力の発掘をしていこうということで注目されております。そのミュージアムによる都市再生というのを提唱されています慶應大学の上山教授によりますと、ミュージアムの間接経済効果、乗数効果係数というふうなことをおっしゃっているんですけれども、間接経済効果は1.4倍で、公共工事などの公共事業、これが1.3倍から1.5倍で、今どんどん低下しているということですので、それを上回っているというふうにおっしゃっています。
 また、欧米では芸術文化と人間の創造性が持つパワーに着目した都市経営というものも理論化されているというふうに聞いております。こうした経済効果ですとか経営という視点からも、今後、藤沢の文化財の公開を考えていっていただきたいと思います。
 また、武蔵野市の吉祥寺に市立の吉祥寺美術館というのが駅前の繁華街にあって、デパートのフロアを借りているという、藤沢の市民ギャラリーとよく似た点があります。中に入ってみますと、内装なども美術館として整備されていて、通行人が偶然見つけて立ち寄れるようなわかりやすい看板も出ていますし、あと、入館料を取っています。高齢者、障害者、小学生を除いて一律100円、たしかミュージアムショップまであったと記憶しております。
 また、松山市では「坂の上の雲」という大河ドラマが予定されている小説をキーワードにして、歴史文化散策のフィールドミュージアム構想を打ち出しております。先日、政府の地域再生計画に認定されまして、経済効果としては約1,040億円以上、誘発雇用者数は1万人を見込まれているということです。観光振興施策ですけれども、そのベースにはやはり文化財ということがあります。インターネットで検察してみますと、こうした松山の松山城のような歴史的文化遺産がなくても、地域力で有形無形の文化を発掘してフィールドミュージアム構想を打ち出している自治体は、よく見受けられます。
 また、藤沢市におきましては、あくまでも箱物型優先、箱物型先行ではなくて、また、財政のお荷物になるようなものではない公開のあり方、例えば江の島の島ぐるみ野外博物館構想のようなフィールドミュージアム構想の推進や、現在ある施設などを活用された形を基本に、市民参加とまちづくりと、あと経済効果までを視野に入れた公開を研究して進めていただきたいと思います。
 そのためには必要な地域力、藤沢にも十分あると思いました。これは藤沢市の所蔵する文化財、20万点にもなるという御答弁には驚いたんですけれども、古くから文化人に好まれた土地柄でもあります。先日、鵠沼の郷土資料展示室で開かれておりました長谷川路可展に行ってきたんですけれども、そちらでは、運営されている市民の方が、資料収集の過程ですとか展示資料の説明を熱心に御説明してくださいました。紹介されておりました長谷川路可さんのフレスコ画そのものも日本でも貴重なものでありますし、収集したその資料の多さは全国的にも価値のあるものではないかと思われました。また、解説された方のその熱意には藤沢の地域力というものを本当に感じました。
 ここでちょっと、これは市長にお答えいただきたいと思ったんですけれども、やはりフィールドミュージアムということを考えていきますと、生涯学習部だけではなくて、例えばまちづくりですとか、あと教育ですとか、かなり広範囲にかかわってくると思います。産業育成などにも観光事業にもかかわってまいります。
 やはりこういったフィールドミュージアムということになりますと、お2人の助役の方々の御担当にもまたがってまいりますので、市長におかれましても、そういった文化財の公開について何か思いがありましたら、都市経営などについての思いにも、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
◎市長(山本捷雄)  藤沢にも確かにいろんな文化財はございます。今、長谷川路可さんのお話もございましたけれども、これも昨年初めて長谷川路可さんの遺族の方から、20点ばかりでしたか、フレスコ画等を寄贈いただいたわけであります。そういった面でのいろいろな意味で、美術品だとか、近代のものでありますけれども、そういったものも幾つかあるわけであります。
 そういった中でありますけれども、ほかには文化財といたしまして、市では浮世絵をかなり保有しております。そういったものも今まで何回か、持っているだけではもったいないのではないかということで、これを市民の皆さんに公開もさせていただいているところでありまして、ただ、この公開をさせていただいておりますけれども、これらについて、これは私の記憶違いだと申しわけないんですが、多分こういうようなものを公開したときにはお金はいただけないと、こういうように思っております。そういったことの中で、今回も、これは藤沢のものではないんですが、ギャラリーの中で東海道の浮世絵展ということの中で、江の島、藤沢を中心とした浮世絵展も、8月でしたか、開催をする予定でおります。そういった意味で、藤沢にはいろんな文化があるなということをいろいろアピールすることによって、藤沢に来ていただき、また経済効果もできてくるのではないかと、このように思っております。
 特に、江の島が島ごと博物館と、そういった意味では、それなりの整備というものは、今まで従来あったものだけでありましたけれども、昨年、植物園などをリニューアルさせていただきまして、当時、東洋一と言われた植物園などの遺構といいますか、それを発掘させていただいて、市民の皆さんに、また、あるいはいろんな方々に公開することによって江の島の方に来ていただく、こういうふうな効果があらわれていると思います。
 藤沢でこれからやっていかなきゃいけないなというのは、1つは遊行寺だと思っています。遊行寺は開山忌というのがありまして、その中ではもう大変なにぎわいを示してきたわけであります。ただ、昔の開山忌のようなやり方だけで何か人が来るなとは、ちょっと思われませんので、そこいらは一工夫しながらやっていかなきゃいけないと思っております。生涯学習部、あるいは経済部、またこれらをプロモートすると申しますか、企画部あたりがいろいろ研究して、開山忌の復活、そういうようなことを考えていくことも必要だと思っておりますので、今後の中では藤沢の持ついろいろな資産と申しますか、そういうものを生かしながらまちづくりを進めていきたい、このように思います。
平成16年 9月
定例会
◆真野喜美子 議員  去る8月の17日から29日まで市民ギャラリーで浮世絵展が開催されました。来場者8,040人、大変な好評であったと聞いております。私も鑑賞させていただきました。見ごたえがあり、開催期間が短かったことが惜しまれます。私は以前より、維持管理費などがかかる美術館は必要がないのではないか、それより足の便もよく、気楽に立ち寄れる市民ギャラリーをミニ美術館として活用すべきと思っております。30日美術館を鑑賞してそう思ったのですが、今回の浮世絵展を見て、さらにその意を強くしたものです。市民ギャラリーでも十分にミニ美術館としての内容、機能を果たせることが、このたびの浮世絵展で証明されたと思います。これからも担当課、職員の皆様にはすばらしい企画を期待しております。
◎市長(山本捷雄)  市民生活を支援する情報ネットワーク環境の整備を目指して、地域における情報化の推進を図るため地域イントラネットを活用し、スポーツ施設及び公民館施設の予約システムと災害映像の配信システムの運営を行ったほか、藤沢の歴史や博物館資料に関する情報をインターネットにより広く市民に提供するため、電子博物館みゆネットふじさわを開設し、市民の利便性の向上や生涯学習の充実を図りました
◆松下賢一郎 議員  ひとづくり・モノづくり・まちづくり対策については、藤沢の未来を担う子どもたちへの環境整備として新入生サポート事業を導入されたこと、未来を支える知や技術が大きく育つことのできる環境整備として、中小企業の特許取得等の支援やIT関連の取り組みとして統合型GISの構築、学校イントラネットによる博物館資料の学校教育での活用、e−ケアタウンふじさわプロジェクトなどを国の研究事業として実施したことなどは、本市にとって大きな財産になったと考えます。
平成16年12月
議員全員協議会
◎脇田 企画部長  スポーツでは、住民スポーツクラブ化の検討、文化では博物館や美術館構想を持ってほしいとの御意見がありました。
◆真野 議員 「芸術文化創造の支援」の市民ギャラリーですが、市民ギャラリーの位置づけというのが、もうちょっと重点的に置かれた方がいいのではないかなと思います。ミニ美術館的な役割を今30日美術館なんかで充実させておりますので、例えばミニ美術館的機能を高めるとかいうものがあってもいいかなとも思います。
◎杉渕 企画部参事  市民ギャラリーのところは、一応運用の充実ということで、30日美術館とかいったものを想定しているものでございます。具体的な事業についての表現は避けておりますけれども、市民ギャラリーの充実と御理解をしていただければ。
平成17年 2月
定例会
◎神田計画建築部長 本市では都市景観条例に基づき、平成2年に特別景観形成地区に指定した江の島地区において、島ぐるみ野外博物館構想を旗印に、参道を初めとする道路並びに附属施設、サイン施設、公衆便所などの公共施設の修景整備を平成7年度までに実施いたしました。また、平成3年度から10カ年にわたり、民間の建築物等に対する景観補助事業の実施や、岩屋が再開されたこと、修景整備としての要素を備えた江の島灯台建てかえ事業や、サムエル・コッキング苑整備事業など一連の景観形成諸事業が収束した平成15年では、岩屋再開前の26万2,000人の観光客数に対し、50万3,000人を数えるに至り、ほぼ倍増が見られたことから、相応の経済効果があったものと考えております。なお、地元の商店街からも、景観整備されたことにより、にぎわいのある景観と調和した町並みが形成されたと一定の評価をいただいております。
◆原 委員  市民ギャラリーでございますけれども、昨年開催されました企画展「浮世絵に見る東海道・江の島」というのは大変好評であったというふうに聞いております。横浜に住んでいる人なんかもわざわざ来て、本物でもあるし、量も内容も充実して非常に見ごたえがあったと。他の美術館だったら1,000円以上お金を払って見るような、そんな価値のあるものが無料のままであるというのはもったいないんじゃないか、こういうような意見もあったそうです。今後、博物館などの研究を進めていく上で、市民ギャラリーであっても、企画展ぐらいは有料化して入場料をとってみてもいいのではないかというふうに考えます。頒布するパンフレットも、ページ数をふやして価格も上げて、充実した資料にしてよいのではないかという声もあったと聞いています。7,000万円以上も管理費を支出しているのですから、受益者負担という考え方も含めて、この有料化に関する考え方を聞かせていただければと思います。
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 企画展に伴うパンフレット、リーフレットに関しましては、今現在、実費頒布という形で行っております。企画展に関する入場料等に関しましては現在無料となっております。神奈川県内の近隣博物館24館のうち今有料化されているのは11館、無料のものが13館という現状、今後の企画展の内容、規模等に勘案して、有料化については検討してまいりたい。
◆有賀 委員  6番目は169ページ、博物館準備費です。以前の議会答弁で公開型保管施設を検討しているということでしたけれども、その概要と、そういう施設がどこかほかに、他の自治体にモデルがあるかどうか、あればお聞かせください。
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 博物館の機能としては、資料の収集、調査研究、整理保管、展示、情報提供等さまざまな機能がありますけれども、現在、博物館については建設は困難であります。しかしながら、今まで収集しました資料を将来に向かって保管していくとともに、それらの資料を市民に公開するいわゆる公開部分の機能は必要かと思います。そういう意味で、博物館の機能の保管の部分及び公開の部分を備えた施設として公開型保管施設を検討しております。なお、より具体的な機能、性格については今後の検討となっております。
 さらに、公開型保管施設という施設の他市の事例があるかという御質問ですけれども、公開型保管施設という名称の施設は他市の事例ではありません。しかしながら、博物館の機能のうちの公開の部分と保管の部分をセットにした施設は多々ございます。
◆有賀 委員  それから、博物館準備費の方なんですけれども、17年度、350万円、一応予算をとってあるんですけれども、この予算の内訳をお聞かせください。
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 博物館準備費の中の350万7,000円に関しましては、これまでに収集した博物館資料の保管施設の維持管理に要する経費でございます。
◆有賀 委員  博物館準備費ですけれども、その維持管理というのは、保管しているものが特殊な、例えば光だとか温度だとか、その辺に管理費が必要となっているのか、もうちょっと予算の内容を聞かせていただきたいと思います。
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 光、温湿度等、脆弱な資料の保管につきましては、万全ではありませんけれども、ある一定の専用の金庫に収納しております。さらに、横浜にある神奈川県立歴史博物館にも脆弱資料、特に江の島浮世絵関係は預かっていただいております。したがいまして、先ほどの350万7,000円の経費の内訳というか、大半は考古資料、民俗資料等の保管してある施設の維持管理費、警備費、光熱水費等でございます。
◎中村 教育長  生涯学習の分野では、(中略)博物館資料の公開等も市民文化の振興に成果を上げております。
平成17年 6月
定例会
◆三野由美子 議員  国際博物館協会(ザ・インターナショナル・カウンシル・オブ・ミュージアム)というところがございますが、そのミュージアムの定義の中には博物館、美術館、水族館や植物園などだけではなく、ネーチャー・リザーブス(自然保護区)もミュージアムとして、つまり文化を担うものとしての位置を確立されています。国際社会では自然をそのまま保全することが文化であるということは明らかになっております。また先日、石川丸山谷戸に行ってまいりましたが、豊かな緑地からの絞り水というのでしょうか、その水が集まって清らかな小川が流れておりました。昼間でしたが蛍も見られました。この小川の水が集まって引地川に流れ込み、やがて海に至ります。
◆保谷秀樹 議員  私は平成8年、平成10年、そして平成15年と、これまでに3回にわたって博物館、美術館などについて一般質問をさせていただいていますが、全国的に見ても人口30万以上の都市には博物館なり資料館、あるいは美術館があり、神奈川県内にあっても横浜市、川崎市、横須賀市を初め茅ヶ崎市、平塚市、大和市、鎌倉市などの近隣の自治体にもこれらの施設があります。
 先日、葉山にある県立近代美術館で開催されております「現代日本画の巨星−『片岡球子展』−100歳を記念して」に行ってまいりましたが、片岡画伯は私の母校である横浜市立大岡小学校で教鞭をとられていた関係もあり、しばしば展覧会は拝見をさせていただいております。5年前にも横浜美術館でも「熱き挑戦 片岡珠子の全像展」が開催されて、拝見させていただきました。片岡画伯は御承知のとおり藤沢市の名誉市民であり、型破りな構成、大胆な色使いなどにより日本画の概念を揺るがす力強い表現を確立され、面構や富士山シリーズでは特に高い評価を受け、文化勲章も受賞されている方です。皆様が御承知のとおり、本市役所新館の1階のロビーの壁画「朱富士」も画伯の作品です。
 私はいつも、藤沢市に美術館があれば、このような日本を代表する画家の作品の展示会ができるのにと思って展示会場を後にしております。市民ギャラリーでは最近、30日美術館と題して藤沢にゆかりのある方々の展示会が開催されるとともに、先日開催されました藤沢市展も昭和26年から開催され、ことしで55回目を数え、市民の方々を含めての創作活動が盛んであります。私も写真の部で何回か出品をしております。
 また、一昨年には日本におけるフレスコ画の先駆者である長谷川路可画伯の作品が藤沢市へ寄贈されるとともに、先日、童画家として知られている黒崎義介画伯の作品約1,100点の寄贈をお受けしたとの新聞報道もありました。黒崎画伯は鵠沼公民館のお近くに住まわれ、長年お住まいで、市の文化財保護委員や社会教育委員などもされており、私も市の教育委員会の職員時代に何回かの交流があり、親しくさせていただきました。戦後の日本の児童文化の向上に寄与されるとともに、藤沢を愛し、藤沢かるたを描いたり、地元での絵画教室や福祉活動に御尽力をされた方でございます。黒崎画伯は偶然ではありますが、片岡画伯と同じ安田靫彦画伯の門下で、しかも御存命ならばことし100歳で、片岡画伯と同じ年です。そして、3月には生誕100年を記念して出身地の長崎県の平戸で展示会が開催されております。
 このように藤沢は、ゆかりの画家の方を初め数多くの芸術文化に携わる方が多く在住され、昨年夏開催された「浮世絵に見る東海道・江の島」展では8,000人を超える入場者があったとのことで、文化、歴史に対する市民の方々の関心も高い都市であり、江の島を初め東海道の宿場町として、遊行寺の門前町としても歴史的資源の豊かな町であります。我が藤沢市は文化都市を自負し、まちづくりの基本目標の一つとして「ゆたかな心を育み湘南の地域文化を発信するまち」をうたっている中で、博物館、美術館はなくてはならない施設であると考えています。
 そこで、1点目として、本市にはこれまでに考古資料や民俗資料を初め、長年にわたる博物館準備の中でいろいろな資料を収集し、相当数の資料が保管されているかと思いますが、また、寄贈された絵画などの美術品もあり、それらを含めてその内容や数量についてお聞かせください。また、これらの資料はどのように保管されているのか、保管施設の現状をお聞かせください。
 次に、2点目として、これまでに収集した資料や調査研究の成果の公開活用のあり方について質問させていただきます。これまでに市民ギャラリーなどでの展示会や小学校などへの自前による文化財講座などを開催するとともに、インターネットにより藤沢の歴史や文化財についての情報提供を進めておられますが、今後どのように公開活用を進めていくのかをお聞かせください。また、展示会の入場料については、昨年の8月に開催された「浮世絵に見る東海道・江の島」展は好評で、有料でもよいのではないかとの感想もあり、これまでは無料で行っていますが、今後有料にしてもよいのではないかと思いますが、どのように考えておられるか、お聞かせください。余談になりますが、本市で開催された際にお借りした齋藤文夫先生所蔵の浮世絵作品は、現在アメリカのワシントンで展覧会が開催されていると聞いております。
 3点目として公開型保管施設について質問をさせていただきます。博物館、美術館についてはこれまでに陳情や請願があり、趣旨了承、採択されており、平成5年9月には博物館の建設用地について示されましたが、その後の財政事情によるものでしょうか、博物館の建設から博物館建設の準備を進めるへとトーンダウンし、現在の総合計画では公開型保管施設の整備となっています。先日、長後のまちづくりの活性化についてのシンポジウムの折、市民の方々から博物館の必要性、その建設についての強い要望を直接伺う機会がありました。本市にあっても厳しい財政状況のもと、すぐに大規模な施設の建設については難しいことは十分承知しておりますが、長年の懸案である博物館、美術館については複合施設の建設やPFI方式による建設なども考え、今後先送りするのではなく、しっかりと地についた検討をし、市民の方々にきちんと説明できるものとすべきではないでしょうか。
 博物館にあっては自分たちが住んでいる町の歴史がどうであったかを学び、郷土愛をはぐくむことができる場として、また、美術館にあってはさまざまな豊かな感性を磨く場として、さらに、動物園、植物園、水族館はいろいろな動物、植物、海洋生物などに身近に触れ、生命の大切さを肌で体験する場として、いずれも特に次世代を担う子どもたちの教育環境の整備という観点からも、地域にとってかけがえのない施設であると思っています。
 このようなインターネットなどによる間接的な媒体とは違った実物を媒体とした、いわゆる体験、体感によるワーキングのできる学習施設、教育文化施設の整備が必要であると思いますが、公開型保管施設のあり方をどのように考え、総合計画の後期計画の中でどのようにその整備を進められるのかをお聞かせください。
◎西山生涯学習部長  本市でこれまでに収集し、現在保管している、いわゆる博物館資料の内容につきましては、発掘調査で出土した考古資料を初め、市民の方々から御寄贈いただきました生活用具などの民俗資料、購入や制作した浮世絵、道中記、古文書、絵はがき、絵巻物、石像物、映像などの歴史資料、世界各地の文化資料である高橋コレクション並びに関係図書で、その数量は12万7,000点を超えています。また、長谷川路可画伯や今年度御寄贈いただきました黒崎義介画伯などの作品を含めまして約1,200点の絵画などの美術工芸品がございます。博物館資料や絵画などの美術工芸品につきましては市内の4カ所の施設などに分散して保管しておりますが、3カ所の保管施設については飽和状態となっているところでございます。一部の貴重な資料につきましては神奈川県立歴史博物館に預かっていただいているところでございます。
 これまでに実施してまいりました資料紹介展や企画展などの展示会や市民の方々の学習支援のための講座、インターネットによる情報提供を含む学校教材としての資料提供、調査報告書や藤沢の歴史に関する解説図書、収蔵資料目録などの刊行物の出版による公開活用について継続して実施するとともに、今後できる限り市民の方々への公開並びに活用していただける機会の拡充に努めてまいりたいと考えております。なお、本年4月に御寄贈いただきました黒崎画伯の作品につきましては、その一部ではありますが、8月に市民ギャラリーで寄贈絵画紹介展を開催し、市民の方々に公開する予定となっております。
 また、展示会の入場料の有料化につきましては、今後とも展示会の趣旨、規模、内容等にかんがみて、その都度検討してまいりたいと考えております。
 次に、要旨3「公開型保管施設のあり方について」でございますが、博物館資料などを展示あるいは保管する上では、資料の特性に応じた温湿度、照明、虫害防止などの物理的条件整備のもとでの管理が必要でございますが、既存の施設ではこれらの点が万全ではございません。公開型保管施設の機能といたしましては、博物館機能に準じたこれらの条件を備えた施設として考えておりますが、施設規模、設置場所、機能、運営管理などの具体的なことにつきましては、今年度のふじさわ総合計画2020後期実施計画の策定作業の中で検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。
◆保谷秀樹 議員  最初に公開型保管施設について。博物館、美術館はいわば町の履歴書であり、藤沢の顔と心ではないのでしょうか
私たちがほかの町を訪れたとき、博物館、美術館に案内され、その町の顔と心に触れることができます。文化都市、「ゆたかな心を育み湘南の地域文化を発信するまち」として、市民が藤沢を理解し、誇りを持って訪れる人を案内できる博物館、美術館がなくてよいのでしょうか。
 先日開催されました第55回の藤沢市展の授賞式のレセプションの席上で、写真、美術、書道、華道の藤沢市の文化団体4団体の方からも博物館、美術館の建設についての強い要望を伺いました。市長は文化は市民がつくるものとおっしゃいますが、それを受容し、子どもたちに継承するための条件整備を図るのは行政の責務ではないのでしょうか。
 公開型保管施設という文言は市民にとって理解しにくい名称です。公開型保管施設はきちんとした設備を備えた公開と保管の機能を持ち、その場で市民が学習するのであれば、これは要するに博物館なり美術館なのではないでしょうか総合計画2020後期実施計画の中で博物館、美術館の文言を復活させ、すぐにはその実現は困難かもしれませんが、将来の博物館、美術館について、これまでに相当の長い期間の準備をしてきていますので、ここまでの段階まで達したという形での市民への説明責任がある
◎市長(山本捷雄)  私も美術館や博物館の歴史や文化を見詰め、それらを次世代にきちっと継承し、新たなる文化を創造する役割を担う施設であると、このように認識しております。文化というものは行政が押しつけるものではなくて市民みずからつくるものである、このように認識しているということを話させていただいたわけでありますけれども、文化に親しみ、文化を、また芸術に打ち込む人たちが本当に文化活動だとか、あるいは芸術活動をしやすいような援助をしていくということが行政の役割だと、このように思っている。私は全く文化に興味がない、美術館だとかそういうものに興味がないということではない。
 いい場所にすばらしい施設というものをつくるということは今の時代困難であります。全国の美術館だとか博物館などを見ておりますと、運営、企画にも非常に問題があります。御承知かと思いますけれども、山梨県の県立の美術館、ミレーの美術館ができました。あれは、全国にいろんなところで美術館をつくるブームになったわけでありますけれども、全国の美術館、私はすべて知っているわけではありませんけれども、自治体などがやっている美術館につきまして、それらがうまく運営されているというのは、多分山梨の県立の美術館以外はほかにないのではないかと思っております。
 美術館や博物館を建設していく上ではいろいろな課題点があり、これは建設するというばかりではなく運営上にもいろいろ課題点がありますので、今後とも私も研究をしていきたいと思っております。なお、博物館などに関しましては、ふじさわ総合計画2020の中では博物館の公開活用ということを位置づけております。具体的には公開型保管施設の整備と、こう文言になっているわけでありますけれども、これは博物館というものに限定しないために、あるいは美術館も含めてというような意味合いも含まれております
◆保谷秀樹 議員  私は、平成8年、10年と一般質問に対して、博物館構想、建設場所、建設面積についての考え方が明確に示されています。しかし、私がいなかった4年の間に博物館・美術館構想は大幅にトーンダウンし、総合計画での文言は公開型保管施設になりました。市民はこの文言ではわかりません。
 そこで、財政的に無理だという状況は十分にわかります。しかし今、いろいろな手法があります。PFI事業の導入やらミニ公募債での対応、また、現在既存の施設として江の島の女性センター、善行にある県立体育センターの中にあるグリーンハウスの活用、そしてカントク跡地の広域ゾーンの中に民間の力をかりた施設の建設など、さまざまなアイデアを駆使するとともに、ぜひ湘南の海に開かれた文化都市藤沢の復活のシンボルとして、総合計画2020の後期計画の中に公開型保管施設にかわる言葉として博物館、美術館の複合施設を期待しています
平成17年 9月
定例会
◎西山生涯学習部長 期間限定の美術館として30日美術館を実施し、湘南にゆかりのある作家を紹介するという形で文化への関心を高め、鑑賞の機会の充実を図っております。
◆井手拓也 議員  博物館資料の公開活用事業として、展示会などについては今後も積極的に開催されることを期待します。現在の財政的見地から、今すぐには博物館、美術館の建設は困難でも、今後の総合計画2020の中の公開型保管施設のイメージは、本市の文化都市の名にふさわしいものとして位置づけていただきますようお願いします
平成17年 9月
決算特別委員会
◆橋本 委員 博物館準備費の中で、今までに市が収蔵した資料の内容と点数、件数。その保管はどのように行われているのか。そして、その活用はどのようにされているのか、お尋ねいたします。
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 考古資料、民俗資料、歴史資料などのいわゆる人文系の歴史資料を中心にいたしまして、世界のいろいろな民俗資料である高橋コレクション、一部には絵画資料を含めて、いわゆる実物資料を収集しております。実物資料以外に現物での収集が不可能なものに関しましては、例えば伝承技術ですとか年中行事、形にならないものは映像で記録保存をするとか、国の指定で藤沢市にはなくて藤沢市に関係しているようなものは複製品をつくるという製作の方法で資料も収集しております。収集資料の数といたしましては、未整理資料も含めて、現在概数で約12万7,000点収蔵しております。
 年代的には3万数千年前の、旧石器時代の資料から古代、中世、近世、現在に至る時代のものを収集しております。
 収集資料の保管場所につきましては、湘南台にあるまちづくり協会ビルの中に収蔵施設を持っておりますけれども、そこを初め、六会ないし善行の合計市内4カ所の保管施設で保管するとともに、横浜の桜木町にある神奈川県立博物館にも、一部ですけれども預かっていただくという形で保管しております。さらに、これらの収蔵資料の活用に関しましては、主に市民ギャラリーの常設展示室を中心にですけれども、資料紹介展あるいは企画展という形で、特に昨年度に関しましては「浮世絵に見る東海道・江の島」という形で、本市の持つ浮世絵資料並びに川崎の砂子の里資料館の浮世絵作品ですとか、市内在住の所有者の方の多大な協力を得て開催するなど、いわゆる展示会のほか、講座とか講演会、さらに出版物の刊行による活用、あとはインターネット媒体の電子博物館みゆネットにおける情報提供等によって、市民一般の方に対しての活用を図っております。
◆保谷 委員  先ほど博物館についての資料の様子が質問にありましたが、私のライフワークですので、ここはちょっと突っ込んで聞かせていただきたいんですが、展示会並びに電子博物館みゆネットふじさわの実績の成果についてお聞かせいただきたいと思います。解説をしますと、博物館については相当の長期にわたって予算計上し、準備されてこられていると思いますが、市政の重点施策の歴史と景勝と文化の創造の中で、これまでに収集した資料などの公開活用として展示会を開催したことや、電子博物館みゆネットふじさわなどのインターネットにより、学校教育での活用や市民への情報提供を行ったとの説明がありました。どのような内容で実施し、前年度に比較して成果はどうであったのか。
 平成18年度以降の博物館資料の公開活用事業について、どのように取り組まれるのかどうか。また、前年度あるいは今年度の公開活用事業の成果を踏まえて、平成18年度以降の後期計画の中でどのように取り組まれる姿勢かどうか。
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 常設展として資料紹介展である高橋コレクション、それから、「一遍聖絵の誕生」というテーマで行ったテーマ展、「浮世絵に見る東海道・江の島」という企画展に関しましては、2本の企画展を開催しました。入場者数に関しましては2万3,042人御来場いただきまして、対前年度比で申しますと5,813人増加、33%の増ということになりました。
 電子博物館みゆネットにつきましては、平成15年度に開設いたしまして、いろいろな方面での情報、文化財なり歴史の情報を配信しておりますけれども、その中で昨年度は江の島に関する地域別の情報というコーナーを新設いたしました。
学校教育の中でも中学校からの要請に基づいて、うちの方の職員が出向きまして、事業の中でこのインターネットを活用して、その補完として職員が出向いて講義をする内容ですとか、逆に小学校では部活動の中で職員が先に行って実物資料を見て、その後の補完としてインターネット、このみゆネットを活用していただいた事例等がありました。この数値的にはアクセス件数に関しましては前年度4万8,191件で、1日当たりに換算しますと132件です。15年度対比で申し上げますと、15年度に関しましては11カ月の配信でしたので、トータル件数では比較的対象にならないんですけれども、1日当たりの件数としては15年度65件でしたので、前年度は約倍という結果になりました。以上が対前年度です。
 平成18年度以降のこの展示公開活用事業をどう取り組まれていくかという御質問に関しましては、今御説明しました展示会なりインターネットによる情報提供のほかに、公開活用の媒体としては講座や講演会、出版物、さまざまな媒体があるわけですけれども、これまで展示会を開催している中で、市民の方にいろいろなアンケート調査をしまして、こういう展示をしていただきたいとか、要望等も多くありましたので、そういう要望を踏まえながら財政事情なども勘案する中で、今後とも充実に努めてまいりたいと考えております。
◆保谷 委員  公開型保管施設についてはどのように検討されているのか。どんなイメージの施設になるのか。これももう少し解説をさせていただきますと、博物館資料の公開活用事業としての展示会などについては今後も積極的に開催されるということの御答弁がございました。体系的、継続的に公開活用事業を実施するためには博物館がなくてはならないと思いますが、博物館、美術館については私が再三一般質問等で質問をさせていただいておりますが、財政的な見地から今すぐというわけにはいかない、その建設は困難であるという御答弁もいただいております。ふじさわ総合計画2020の中で公開型保管施設についてはどのような検討をされているのかどうか。また、その施設のイメージはどんな施設を想定しているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 公開型保管施設に関しましては、いわゆる博物館機能と申し上げますと、資料の収集なり整理、保管、調査研究、展示、学習支援、情報提供、さまざまな機能を持っているわけですけれども、公開型保管施設に関しましては、イメージとしては、それらの機能のうちの段階的あるいは部分的な機能の整備という目的になるかと思います。具体的に現在検討している内容に関しましては、展示空間なり、温湿度の微妙な脆弱な資料のための保管空間に関する調査検討なり、既存の博物館の現状と課題を整理するなどの調査検討を進めまして、今後、後期計画、実施計画の策定作業の中で検討、整理すべき施設のあり方、あるいは18年度以降の進め方について検討してまいりたいと考えております。
平成17年12月
定例会
◆三野由美子 議員  平塚市や横須賀市、博物館がある市です。そういった市では、学芸員が市の専門性をカバーしていると聞いております。市側の専門性が藤沢市より充実しているのかなと思うんですが、数年で職員が担当を異動してしまうような本市の体制の中では、非常にこういった重要な専門職というのはなかなか育成できないのかなと思うんですが、このビオトープの事業、特にこの委託事業の方向性やその後の整備、維持活用においてはむだな工事や生態系の破壊が起こらないようにチェックする役割が必要です。ビオトープネットワークを計画、実現する上で非常勤職員1名というのは、余りにも本市の体制は貧弱ではないかと思いますが、非常勤であれば複数体制にするなど、専門性をさらに充実させなければならない、このような考えですが、いかがお考えでしょうか。
◎生川都市整備部長  ビオトープネットワークを計画、実現する上で、自然生態専門員を複数体制にすることなど、専門性を充実させ、市の政策に生かしていくとの考え方はどうかでございますが、本市の自然生態専門員制度の導入につきましては、平成5年より行っており、他の市のような博物館に配置している学芸員とは異なり、自然環境の調査や保護、育成に携わることを主な業務とする本市独特の制度であり、今後もこれらに関する市の政策立案に際し、機会あるごとに意見を参考に生かしてまいります
◆三野由美子 議員  「みどりゆたかなまちづくり」についてなんですが、博物館のある自治体において学芸員の制度が藤沢市と異なるということはわかっております。藤沢市には博物館がないのだから、当然のことでございます。藤沢市の自然環境を次世代に残し、再生、創出していく上では、公共の財産としての知識が重要だと考えておりますが、今の専門職のあり方や活用の仕方では不十分ではないかと思います。他市と比べていかにこの部分が手薄になっている。
平成18年 2月
定例会
◆井手拓也 議員  博物館、美術館構想についてです。「湘南の海にひらかれた生涯都市藤沢」を本市の将来像ととらえ、サブテーマとして、「歴史と文化と自然のネットワークするまち」を掲げていますが、博物館、美術館はなくてはならない教育施設であり、観光資源でもあり、文化都市の要件ではないでしょうか。本市の現在の計画では、公開型保管施設としてとらえているようで、なかなかその実現は難しいものがあります。本市の伝統豊かな高等学校である県立藤沢高校が平成22年度に大清水高校に統合されることになります。そこで、卒業生を中心に、この跡地を「藤沢文化創造の丘を進める会」によって、美術館、博物館と有効活用を要望する署名活動が始められました。今後神奈川県との調整、協議など課題が山積みされていますが、その実現に向けて御努力くださるよう強く要望します。
◆海老根靖典 議員  博物館・美術館構想について。文化都市の要件である博物館・美術館の役割について。
 文化都市の要件であります博物館・美術館の役割でありますが、藤沢市には公民館を初め学習文化センター、図書館、体育館、青少年施設など生涯学習施設の整備が進められ、内容の充実が図られてきています。その中で全国的にも人口40万の都市には、大なり小なり資料館を含め博物館・美術館があり、本市には残念ながらありません。
 博物館・美術館は、他の生涯学習施設がおのおのの機能を持つように、固有の機能、役割を持つ施設であり、地域文化の拠点となる施設であります。また、次世代を担う子どもたちにとっても、博物館は先人たちが継承してきた地域の文化や歴史を学び郷土愛をはぐくむ場として、美術館はさまざまな芸術作品に触れ感性を磨く場として大切な教育施設であります。湘南の海に開かれた生涯都市を本市の将来像ととらえ、サブテーマとして「歴史、文化、自然をネットワークするまち」を掲げていますが、まさしく「歴史、文化、自然をネットワークするまち」のためには、博物館、美術館はなくてはならない施設であり、文化都市の要件ではないでしょうか。
 博物館あるいは美術館の建設については、これまでに陳情や請願が採択されていますが、総合計画2020の中では、博物館は公開型保管施設という名称に変わり、美術館の名称はどこにも表現されていません。そこで、現在、改めて博物館・美術館の役割をどのようにとらえ、長年にわたっての懸案である博物館・美術館のあり方をどのようにされるのか。
 公開型保管施設の今後の進め方について。博物館・美術館については、これまでに財政的見地から、今すぐ建設は困難であるという答弁をいただき、さらに総合計画2020の中では、公開型保管施設ということで検討されているという御答弁をいただいておりますが、後期計画の中で今後どのように進められるか、お聞かせいただきたいと思います。
 県立藤沢高校跡地における博物館・美術館活用について。藤沢市内でも大変伝統豊かな高等学校であります神奈川県立藤沢高等学校では、昨年、創立80周年を迎え、ことし、さまざまな記念事業が企画されています。しかし、この高等学校は、県立高校改革推進計画後期実施計画により、平成22年度には同じ藤沢市内にあります大清水高校と統合し、大清水高校の敷地内で単位制普通科高校として再スタートすることが示されています。藤沢高等学校は、大正14年に藤沢町立実科女学校として設立された学校ですが、今日の藤沢市政の基盤を築いた名誉市民であります金子小一郎市長の父上で、教職経験のある金子角之助町長もその設立に尽力されたと伺っております。また、山本市長のお母様山本正子様は、この金子角之助町長の娘さんになられるわけですが、藤沢町立実科女学校の第1回卒業生でもあります。山本正子様は、文化、芸術に篤く、特に南画において山本菜園の雅号を持ち、日本南画院無鑑査に推薦をされた方であります。市長の母上初め藤沢高等学校の卒業生は、これまで1万9,000名に及び、さまざまな分野において国内はもとより、世界各地にわたって活躍されております。
 このような卒業生の方々並びに市民の方々から、長年にわたり教育文化がはぐくまれるとともに、山王神社など地域の歴史ある場所である藤沢高等学校の跡地については、教育文化の香り漂う空間として生まれ変わることが望まれています。卒業生であり、母校で教鞭もとられた熊坂兌子さんは、イタリアと日本に活動拠点を持って、市内の公共施設にも作品を飾られている著名な彫刻家でもあります。この熊坂さんが代表となり、藤沢文化創造の丘をすすめる会が結成され、藤沢高校の跡地に藤沢の、いや、湘南の分野発信拠点となる美術館・博物館の建設を要望する署名活動が始められたということを伺っております。
 博物館・美術館の建設が財政的に厳しいならば、ミニ公募債などによる財源の確保とともに、既存施設の改修による活用も方策の一つではないでしょうか。
 藤沢市として、江の島にある女性センターや善行にあるグリーンハウスなどの活用も考えられますが、交通至便で旧東海道藤沢宿や遊行寺などの歴史的資源の豊かな立地にある藤沢高等学校の跡地は、博物館・美術館の立地としては最適であり、また、先ほどの件名4、要旨4の「遊行寺等の観光資源を活かした商店街の活性化について」との相乗効果も考えられ、その活用について、現時点でどのように考えられておられるのか。また、神奈川県に対してどのように働きかけていくのか、あるいは今後どのように検討するか、お聞かせをいただきたいと思います。
◎西山生涯学習部長  博物館・美術館の役割とあり方について、博物館・美術館は、その対象とする資料の収集、調査、研究、保管、展示などを主な機能としていますが、最近では時代の変化に伴って生じた新たな役割として、高度情報通信ネットワークの活用などによる情報提供を初め、学校、家庭及び地域社会との連携による事業の実施やさまざまな方の利用促進のための施設設備の整備が必要となっています。
 博物館・美術館は、子どもからお年寄りまでの全市民にとってのまさしく生涯学習の拠点として大きな役割を担う施設であります。本市といたしましても、歴史を踏まえた新たな文化の創造のためにも、かけがえのない施設であると認識しております。しかし、現在の財政状況の厳しい中、もろもろの施策を進めなければならないことから考えますと、直ちに博物館の建設並びに美術館の構想についての考えを明示できない。
 公開型保管施設の今後の進め方について。公開型保管施設につきましては、これまでに収集してきました考古、民俗、歴史、その他の資料を公開するとともに、これらの資料を次代に引き継ぐための保管機能を中心に、今後、総合計画2020の後期実施計画の中で課題整理と検討をしてまいりたいと考えております。
 県立藤沢高等学校の跡地における博物館・美術館活用についてでございますが、県立藤沢高等学校は県立高校改革推進計画の中で、大清水高等学校と統合再編され、単位制による普通科高校として現在の大清水高校の場所で平成22年度に開校が予定されております。統合された後の藤沢高校の跡地につきましては、神奈川県としても公共性、公益性の高い活用を基本に検討するものと認識しております。本市といたしましては、本市及び地域住民にとって有用な活用が図られるよう、今後、神奈川県とも連携を図ってまいりたいと考えております。
平成18年 2月
予算等
特別委員会
◆有賀 委員  生涯学習全般について、美術館、博物館構想についてです。博物館構想は取り上げさせていただいたんですが、先日ある情報誌で、博物館、美術館がない文化都市藤沢とやゆされたということが関係者の中で話題になっていました。確かに全国40万都市で両施設のない都市は藤沢だけです。ただ、私、だからといってよい悪いと言おうとは思っていません。
地方で40万都市といえば大都市です。平成17年9月現在で、県庁所在地といえども、43の県庁所在地があるんですけれども、23市は藤沢より人口が少ないです。すなわち地方では広域の核としての30万、40万都市なので、文化施設としてはむしろあっても当たり前とも理解できます。その中で藤沢だけがないといっても、そこはいい悪いの論点ではないというふうにとらえています。藤沢市はどうなのかということを考えますと、これは本当に考え方次第だと思うんです。要は文化都市としての看板をかけつづけるのか、それともおろすのか、そこは市政のかじ取りの部分だと思うんです。
 現在、市は、当面の策として保管型公開施設という方向性を示していますけれども、私は非常に危機感を持っています。というのは、博物館、美術館といえば、静かに見学するところと思われがちだと思うんですが、実はそれではなく、むしろ教育普及活動の場として意義があると認識しなければいけないと思います。そこに行けば、手助けしてくれる先生がいて、いろんなたくさんの資料があって、すばらしい学習の場である。そして、さらに大切なのは、先生を育てる場が博物館、美術館といった文化施設だというふうに思うんです。現在の市の保管型公開施設という施策は、学校をつくっても、生徒を入れても、先生がいない、こういう状況を続けるということじゃないかというふうに思います。結局、文化の評価というのは先生じゃないかというふうに考えます。市の文化度を示す指標が文化の先生の数と理解するならば、先生のポテンシャルを持った方々が藤沢にはたくさんいます。けれども、その方々が先生としての活動の場を持てない状況、これが藤沢の状況ではないでしょうか。まさに藤沢の知的財産存続の危機ではないかというふうに思っています。そういう意味では、最近の市民要望の盛り上がりは理解できるところです。
 その都市の文化度を示す指標として、先生の数とか質で見られるという考えに対しての御見解をお聞かせください。
 藤沢市で文化度をあらわす指標として、他の考え方がありましたら、お示しください。
 代表質問の御答弁で、博物館、美術館に対し、以前より前向きな姿勢をお示しいただいたと理解しましたけれども、その方向に対して今後想定される課題や問題点についてお聞かせください。
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 県立藤沢高等学校の跡地につきましては、公共性、公益性を中心に、本市といたしましても、本市及び市民の方々にとって有効な活用が図られるように県と連携をとってまいりたいと思っておりますが、現時点では、博物館、美術館という限定された活用についての具体的な資料等もありませんので、課題を整理する段階には至っておりません
◎中嶋 生涯学習課
課長補佐
 長屋門と解体部材保管について。現在、保管しています解体された民家の部材に関しましては、収集目的が博物館資料の一環として、先ほども申しましたように、漁業と農業と商業のいわゆる生産に基づく居住形態として収集してまいりました。今回長屋門に関しましては、いわゆる江戸時代の後期、移築場所に関しましては新林公園を予定しておりますけれども、御承知のように新林公園には同じ江戸後期の母屋である小池邸が既に移築復原されていまして、長屋門と一体化が図れるということで、長屋門を19年度に移築復原するという予定でおります
◆河野 委員  長屋門のことはやっていただけるのはありがたいと思っております。ただ、4棟についてなんですけれども、形態として博物館として収集しているというんですけれども、形で見えないと全然役立てませんよね。こういう農家の家があって、こういう使い方をして、昔はこういう生活をしていてというようなことがわかるために部材をとっていらっしゃるわけですから、それぞれにふさわしいような、漁業の漁民の家だったら片瀬の近いところのどこかとか、農家だったらどことか、あるいはそういうものを一緒にしたような集落的なものを考えるのか、どこがいいのかわかりませんけれども、やっぱりこれをちゃんとした形に復原して、というのは、時間がたてばたつほど、木が傷んでしまってもう復原できなくなってしまいますよ。せっかくそのお金をかけて解体保存して、これが農家のあれですと言われても、だれもどんなものだったかというのはやっぱりわからない。やっぱり博物館的な要素であるならば、復原して見せていただいてということが大事なのではないかと思いますけれども、そのあたりの少なくとも考え方、方向性というんでしょうか、それだけお示しいただきたいと思います。
◆河野 委員  これら藤沢駅周辺活性化のシナリオは、県内外からの来訪者、観光客を掘り起こすことの経済効果は非常に大きいと思います。藤沢駅北口通り線、遊行通りを通って遊行寺、藤沢宿、白旗、そして、現在保存運動が起こっている県立藤沢高校跡地を文化ゾーンとして博物館、美術館等をという、そうした声が反映されると、あの一帯を収容して銀座通り、柳通りも含めた商店街の活性化策ともあわせて非常に魅力あるコースが考えられると思うのです。
 観光費、観光振興費の観光宣伝費の中の誘客宣伝事業費なんですが、えのすぱのシンボルモニュメントの発光状態は現在どのようになっているでしょうか。観光課として、またあるいは観光協会などはどのように、あのシンボルモニュメントのことをとらえていらっしゃいますでしょうか。逗子、鎌倉方面から夜、島の根元が異常に明るくて、何事と思うほどの光景が見られます。江の島は島ぐるみ博物館構想、これは県の構想ですが、島全体を特別風致地区に指定して、相模湾に浮かぶというあの光景は浮世絵に描かれ、与謝野晶子が歌を詠み、歌舞伎の作品の舞台になった、そうした歴史の重みを大切にした観光地として全国に発信してきたわけですし、海の青さと島の緑を大切にしなければ、やはり来訪者がまた来たいというような環境ではなくなってしまうのでないかということを大変危惧しております。江の島は藤沢市にとって観光政策のドル箱なので、ああした宣伝用シンボルモニュメントのようなものに対して、やっぱり観光課としてしっかりと意見を発していただきたいと思います。
平成18年 6月
定例会
◆柳田秀憲 議員  音楽ホールであるとか、文化施設は市の都市計画になっているわけですから、ぜひとも考えていただきたい。
 観光、受け入れ側の立場でいいますと、自分たちの地域の輝かしい風光、文物、制度を示すこと、そういう定義で考えますれば、私は例えば音楽ホールとかだけではなくて、美術館とか博物館とかも片瀬江の島地区に必要だと思うぐらいですから、市民にとってもこういう文化的な施設があるというのは、町に対する理解も深まり、またそれが誇りにもつながってくるというふうに考えます。そういった場所があって、都市計画にもうたわれているような市民と観光客の方との交流、ともに文化的体験ができる施設というのがやっぱり観光地には必要なのではないかなと思います。
◎高木生涯学習部長  学芸員は何人、どのような分野で、どのような仕事をしているのかでありますが、学芸員の有資格者の把握している人数は、市全体で12名で、うち生涯学習の分野で7名が所属し、そのうち2名が埋蔵文化財の保護等を行う文化財担当として、また、5名が藤沢市の歴史や博物館資料にかかわる資料収集、保存整理等、博物館準備担当の職についております。生涯学習部以外の一般職の5名は、福祉、年金等多様な職場に勤務している状況でございます。
平成18年 9月
定例会
◎市長(山本捷雄)  情報化の進展や市民意識の変化等に対応するため、藤沢市地域IT基本計画を改定しました。また、市民生活を支援する情報ネットワーク環境の整備を目指して、地域における情報化の推進を図るため、地域イントラネットを活用し、スポーツ施設予約、公民館施設予約、博物館資料情報提供、災害映像配信等の利用拡大を図りました。
◆三野由美子 議員  現在、公園みどり課には自然生態の保護育成を積極的に推進するために生態専門員という制度があって、これは何度か議会でも取り上げさせていただいたんですけれども、この制度はあるのですが、非常勤で自然環境保護育成について相談及び指導を行うということになっているんですね。非常勤で週2回というふうにこの要綱にはなっているんですけれども。一方で、環境政策の比重が今非常に高まっていると思います。地球温暖化防止のためのCO2削減、緑地保全、緑化推進、あとビオトープネットワークの基本計画も策定されましたし、また、こういった計画を国の生物多様性国家戦略との整合性を図りながら進めていかなければならないというふうに、多くの課題がふえてきているんですが、施政方針における自然保護等の環境政策の推進ですとか、このたびのごみの手数料の使い道などについての答弁を聞いていましても、自然にかかわる環境政策の比重が非常に高まっていると感じております。ほかの市では、横須賀市ですとか、ほかの市などでは県の施設や博物館などの専門家の方がカバーしているこの部分が、藤沢市では多くの環境政策を打ち出している割には手薄になっているのではないかと私は考えております。これは以前にも指摘させていただきました。
 現在のこの生態専門員の制度というのも、その強化のために見直すべきではないかと思うんですが、その際にはこういった任期付というのも非常に導入しやすいのではないかと考えました。高度の専門な知識経験またはすぐれた識見を有する任期付職員の採用ということも、環境部門において視野にぜひ入れていっていくべきではないかというふうに考えております。ほかにもさまざまなところで、この高度な専門的知識ですとか、専門知識と経験を持った人材について思うところはあるんですけれども、やはり広報関係などは、任期中にほかの若手職員の方々に知識を吸収していただくというようなこともできると思いますし、その5年間であっても5年で終わりではなくて、5年間の間にさまざまな市としても知識を吸収できる、ノウハウをいただくことができるのではないかと思います。
◆保谷秀樹 議員  文化芸術振興基本法前文を紹介させていただきます。「文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いである。また、文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである」、以下省略とあります。
 さて、本市の文化行政の現状を見ると、組織的にはこの法律の成立と呼応するように、従来生涯学習課などが所管していた文化行政事務を市民会館の芸術文化と統合し、文化推進課を新たに創設し、きめ細かい文化行政を展開するとともに、施設的には公民館を初め図書館、体育館、青少年関係施設などの整備が進められ、生涯学習の充実が図られているものと認識しております。しかし、その中で本市には博物館並びに美術館は未設置であります。文化芸術振興基本法の前文に示されている文化行政の理念を具現化するためには博物館や美術館は必要な施設であり、博物館、美術館は藤沢市民の子どもから高齢者まで、さまざまな方々に歴史、教育、文化、芸術の場として、未来に向かってぜひ必要な施設であると深く認識しております。
 神奈川県立藤沢高等学校は、平成22年度には同じ藤沢市内にある神奈川県立大清水高等学校と統合し、大清水高等学校の敷地内で単位制普通科高校として生まれ変わることが示されております。この藤沢高校は、御承知のとおり、大正14年に藤沢町立実科女学校として設立された学校で、県立高校になるに当たっては本市並びに市民の多大な協力があったと伺っています。また、この場所は地域の歴史ともかかわりがあり、長年の間、身近な教育、文化の香り高い空間でもありました。
 ことしの2月、藤沢高校の卒業生が中心となり、藤沢文化創造の丘をすすめる会が結成され、この藤沢高校跡地に博物館、美術館の建設を要望する署名活動が始められました。この8月にも藤沢に新たな芸術、文化の香り高い空間をと願って、ピンクのTシャツ姿のユニホームで藤沢駅北口の街頭で署名活動が行われました。私も藤校の卒業生や画家の方々と一緒に街頭に立ち、卒業生や現役の生徒の方の母校がなくなってしまう切実な声や、40万都市にもなる本市において博物館、美術館がない現状に対し、早期建設を望むたくさんの市民の声を実際に肌で感じました。またあしたから、20日から30日まで、今度は藤沢駅の南口で署名活動を展開する予定となっています。
 ことし2月定例会の我が会派の代表質問でも、この藤沢高校の跡地における博物館、美術館活用について質問をさせていただきました。本市では、神奈川県としても公共性、公益性の高い活用を基本に検討するものと認識するとともに、本市としても本市及び市民にとって有用な活用が図られるよう、今後、神奈川県とも連携を図ってまいりたいとの御答弁をいただいておりますが、再度藤沢高校の跡地活用として博物館、美術館の建設についてどのように考え、今後どのように連携を図っていかれるのか、お聞かせください。
◎西山企画部長  県立藤沢高校の跡地活用につきましては、同校卒業生を中心に地域文化の拠点としての美術館や博物館の建設を望む署名活動が行われているところでございますけれども、県立藤沢高校は県立高校改革推進計画の中で県立大清水高等学校と統合再編され、単位制による普通科高校として、現在の大清水高校の場所で平成22年度に開校が予定されております。統合された後の藤沢高校の跡地につきましては、神奈川県としても公共性、公益性の高い活用を基本に検討するものと認識しております。本市といたしましては、本市及び地域住民にとって有用な活用が図られるよう、今後、神奈川県とも連携を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◎高木生涯学習部長  現在、本市の所蔵する博物館資料や絵画等の美術作品の保管施設については、主に六会中学校横の第1収蔵庫を初め、善行中学校横の第2収蔵庫、元県立藤沢北高等学校にある資料整理室、円行のまちづくり協会ビル内の収蔵室など4カ所の施設があり、延べ床面積は約3,348平方メートルとなっております。また、横浜にあります神奈川県立歴史博物館にも江の島関係の浮世絵の一部を保管していただいております。
 市内の各施設の保管資料の内容につきましては、第1収蔵庫では考古資料や民俗資料、第2収蔵庫では漁船や民家解体保存部材などを初め、大型の民俗資料を保管しております。また、資料整理室では整理中の考古、民俗、図書資料を保管し、まちづくり協会ビル内の収蔵室では高橋コレクション、浮世絵や絵画を初め複製品、映像、写真、録音テープ、紙質資料などを保管しております。これらの保管施設の抱える課題につきましては、まちづくり協会ビル内を除く3施設につきましては相当の建築年数が経過していることと、各施設とも収集資料の増加により保管空間が飽和状態となっております。
 また、博物館資料などの保管については、各資料の特性に応じた温湿度などの条件整備のもとでの管理が必要ですが、既存の施設ではこの点は万全ではありませんが、限られた条件の中で資料収集の保管に努めております。
 次に、公開型保管施設の名称についてでございますが、博物館機能に準じた公開と保管という機能を備えた施設の整備を検討する上での名称ですので、今後、施設規模、機能、運営管理など具体的な内容とともに名称も検討することとなりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。
◆保谷秀樹 議員  文化芸術振興基本法の基本理念をしっかり踏まえるとともに、博物館や美術館の必要性に関する認識をさらに深められ、県立藤沢高校の跡地を長年の市民の夢である博物館や美術館の場所として確保するよう、積極的かつ具体的な県への働きかけを強く要望いたします。また、現在市で保管しているさまざまな資料を後世へ価値を損なわずに伝えるよう、保管施設並びにその条件の整備についても、公開型保管施設のあり方の検討を進める中で十分に検討され、より一層の保存管理に努められますよう要望いたします。
平成18年 9月
決算特別委員会
◎中嶋 生涯学習課
主幹
 博物館、美術館についてお答えいたします。まず、全国的に博物館の数としては約5,300館あります。その中で博物館と申しましても歴史系、自然系、いろいろありますけれども、歴史系が約3,100館弱、美術館が1,000館程度あります。
 次に、神奈川県内の博物館の総数といたしましては155館ありまして、歴史系が77館、美術館が34館です。設置者としての公立としては155館中79館あります。
 次に、本市の博物館準備担当の学芸員の分野につきましては、全般的に歴史系ですけれども、細分しますと、考古学の分野が1名、民俗学の分野が1名、歴史の分野が3名で、さらに細かく時代としては古代、中世、近世が各1人ということで、合計5名の学芸員がいます。
◆保谷 委員  博物館、美術館構想ですが、神奈川県下ではそうした類似するものが155館あるということですが、本市には全くないと、これが40万都市かという私の持論でございますが、先ほどの事業説明の中でも、30日美術館をやりまして、昨年は塚本茂さんの作品を展示したと。私の記憶では、ここ何年か30日美術館が開かれているということですが、先ほどの御答弁の中には、美術関係の専門の学芸員はいないわけですが、実は昨年、黒崎義介画伯、これは作品展がありました。そして、一昨年は東海道の浮世絵展等がございましたし、それから長谷川路可画伯の作品展もあったわけでございますが、そういう点では美術作品の展覧会も続いて開催されていますが、今の御答弁の中では、美術関係の学芸員の方はいない。それを展示するに当たってどういう視点で展示をなさっているのかどうか。確かに30日美術館は開かれていて、その間、美術の鑑賞は専門的な立場の方の作品が見れるということはございますが、その点支障がないのかどうかということをちょっとお尋ねさせていただきたいと思います。
平成18年10月
議員全員協議会
◆加藤 議員  また、このD街区には博物館や美術館ができると思って引っ越してこられたという住民の方たちもいらっしゃいます。その点についてどのようにお考えか、お聞かせください。
◎杉渕 企画部参事  博物館、美術館という構想があったということではございますが、現在のところ、それにつきましては、そういった考えは持ち合わせてございません。
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